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「スイスの存在なければ状況悪化の可能性」

スイスの利益代表がなければ、ペルシャ湾の状況はさらに悪化するだろうー。駐ベルンのイラン大使モハマド・レザ・ハジ・カリム・ジャバリ氏がドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)とのインタビューで、こう発言した。

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スイスは米国がイランと国交を断絶して以降、イランにおける米国の利益代表を務める。利益代表は、外交関係を破棄した、または紛争状態などにある二国間の仲介役を務める。 

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米イラン関係、なぜスイスが関与?

このコンテンツが公開されたのは、 米国、イランの緊張が高まるにつれ、スイスの仲介役としての役割が再び脚光を浴びている。ところで中立国のスイスが他国の2国間関係に関与するのはなぜなのか。

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「時折とても驚かされるのが、スイスのメディアがメッセージの届け人としてのスイスの役割を軽視していることです」

SRF:スイスはイランと米国の対立において、相手国政府にメッセージを届ける、ある種の「郵便配達人」です。スイスは単に「郵便配達人」に過ぎないのでしょうか。それともほかに大きな意味を持つのでしょうか。

モハマド・レザ・ハジ・カリム・ジャバリ:時折とても驚かされるのが、スイスのメディアがメッセージの届け人としてのスイスの役割を軽視していることです。我々の立場から見れば、スイスは、重要で影響力のある役割を果たしています。それなしでは、状況は悪化する可能性があるでしょう。

スイスの外交官は、この地域の緊張緩和を手助けしてくれています。スイスもまた時折、非常に役立ちそうな計画とイニシアチブを提案してくれます。

SRF:そのイニシアチブの1つが、スイス自身が望んでいる人道的物資の貿易取引です。米国の同意があれば、人道的物資と医薬品をイランに輸出することができるようになりますが、あなたにとって、これはどれくらい重要ですか。

ジャバリ:ここでのスイスの役割を重く見ています。まず、スイス企業はイランに投資しています。また、スイス連邦政府は過去20カ月間、医薬品の人道的貿易チャネルの構築に向けて尽力してくれています。

この目標を達成するため、スイスは米国政府と広範な交渉を行ってきました。しかし、米国は偽善的で、残念ながら、今のところ確たる結果につながっていません。

SRF:輸出禁止措置により、イランでは薬が全くないのでしょうか?

ジャバリ:少なくとも医薬品と救援物資は不足しています。最近、不足物資のリストをスイスに送ったところです。

米国は一方で、人道支援物資の貿易は制裁の影響を受けないと主張する。ですがその他方で、彼らは送金を妨害するのです。医薬品不足の原因は、我々の銀行システムの封鎖にあるのです。

SRF:ソレイマニ司令官殺害後、イラクの2つの米軍基地で、イランによる報復攻撃がありました。報復攻撃はこれ以降も起こるのでしょうか。

ジャバリ:米軍によるソレイマニ司令官殺害は戦争犯罪です。米国は国際的な規則、規定、規範、原則を無視したのです。

その後のイランの行為は、報復のみならず、自衛でもあるのです。しかし、この地域での戦争は望んでいません。対立の激化に貢献するつもりもない。しかし、いかなるタイプの攻撃に対しても、我々はあらゆる手段で応じる準備はできています。

SRF:ウクライナの民間航空機撃墜はなぜ起こったのでしょうか?

ジャバリ:あれは本当に悲しい事故でした。イラクの米軍基地に対するイランのミサイル攻撃からわずか数時間後のことです。残念ながら、この地域に米軍が存在していることが、苦しみと緊張の高まりにつながっているのです。

しかし、事故の責任はイラン軍にあります。イランは、道徳的、法的、および国際的な義務を遵守します。私たちは何よりもまず、被害者家族の悲しみと苦しみの緩和に注力します。

SRF:事件が起きた夜、テヘランの領空が閉鎖されていなかったのはなぜですか?

ジャバリ:技術的な詳細についてはわかりません。しかし、一般的に言えることは、この事件はミサイル攻撃のわずか数時間後に起こったということ。人的ミスだったということです。

SRF:飛行機の墜落後、多くの人々が再びイラン国内でデモをしています。イラン政府が嘘をついていると非難する人もいれば、政権はもう終わりだという人もいます。これをどう見ますか?

ジャバリ:イラン人は、いかなる人も、自由に発言や批判ができます。それが憲法上の権利だからです。イラン政府がこの権利を制限しようとしたことは一度もありません。

しかしこの予期せぬ事件は人的ミスによって起こりました。軍の情報提供は明確で、透明性に欠ける部分はありませんでした。もちろん、異なる意見を持つ人は常にいます。誰にでも、意見を述べる権利はあります。

SRF:それで、責任者は裁判にかけられるのですか?

ジャバリ:はい。イランの最高指導者、大統領、司法長官、軍の司令官がすでにこれを認めています。逮捕者も出ています。責任者は裁判にかけられます。

SRF:今後、より多くの対立やさらなる激化が予想されているのでしょうか?

ジャバリ:この地域での対立の激化、または戦争につながる火種は見られません。湾岸諸国は、安全と平和のための新しい措置を見出すことができるだろうと私たちは信じています。ただし、そのためには、いかなる外国の軍もこの地域から撤退する必要があります。

周辺国をいじめる米国の存在がなければ、取り決めをまとめることは可能です。ドナルド・トランプ(米大統領)がイランの文化財を破壊すると脅すのなら、それは戦争犯罪で私たちを脅迫することにほかならず、イラン国民はひどく飢えるでしょう。それは人道に反する犯罪であり、ソレイマニの殺害は戦争行為なのです。私たちは当然、自衛の行為を取ります。

(独語からの翻訳・宇田薫)

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