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障害者にも参政権与えるべき?ジュネーブで今週末住民投票

ジュネーブで29日に行われる住民投票では、成年被後見人の障害者にも参政権を認めるか否かが問われる © Keystone/Martial Trezzini

ジュネーブ州で29日、精神障害などで成年被後見人となった人たちに参政権を認めるべきか否かを問う住民投票が行われる。障害者支援団体は、可決されれば国全体への波及効果につながると期待する。

貧しい人たち、受刑者、永住権を持たない臨時労働者、ユダヤ人、在外スイス人、そして女性―。これらの人々やいくつかの人口集団はスイスの民主主義において、時に長い間、投票を認められていなかった。ただ時間がかかったとはいえ、最後には投票権を手にした。

障害者は違う。スイスでは、精神障害を理由に成年後見制度の庇護に置かれている人が約1万5千人いるが、これらの人々は国民投票や議会選挙に参加する権利が認められていない。

ジュネーブ州の住民投票で提案が可決されれば、これらの障害者に参政権を認める全国初の州となる。住民投票にかけられるのは、憲法改正に伴う強制的レファレンダムで、州議会が2月に可決した。

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このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは国民が憲法改正案を提案したり、連邦議会で承認された法律を国民投票で否決したりできる。

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ただ政治参加できるようになるのは州・自治体レベルの投票などに限られ、連邦レベルのものは除外される。

平等への道はまだ遠い

国内障害者団体の包括的組織インクルージョン・ハンディキャップは、平等に向けた取り組みは大幅に立ち遅れているという。同組織は、今回の住民投票が可決となり、それが付随的に他の州や連邦政府を刺激する「波及効果」を期待する。

バーゼル大学の憲法学教授で、2018年から国連障害者権利委員会のメンバーを務めるマルクス・シェファー氏は「現行のやり方は、憲法にも国際法にも反している」と指摘する。

シェファー氏は、自身が把握している情報を元に、住民投票は可決される公算が高いという。また、障害者への参政権拡大は、外国人参政権よりも大きな抵抗に遭わない可能性がある、と話す。

国連条約の拘束力

インクルージョン・ハンディキャップとシェファー氏は、スイスの現状を国際法違反だと指摘する。スイスは2014年から国連の障害者権利条約に加盟している。同条約はスイスを含む180カ国超の締約国(2020年6月時点)に、障害に基づくあらゆる差別を禁止している。

シェファー氏によれば、こうした「平等」を実現しているのはスウェーデン(1989年に世界に先駆けて導入)のほか、フランスやスペインなどだ。

ただ加盟国の条約履行の度合いを体系的に俯瞰できるデータがなく、シェファー氏でさえも、スイスの国際的な立ち位置を評価することは難しいという。現状では、国別報告を手掛かりに行うしかない。

(独語からの翻訳・宇田薫)

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