スイスの視点を10言語で

EU銃規制法の採用可否を国民投票へ NZZ紙報じる

A man loads a pistol
© KEYSTONE / GAETAN BALLY

銃の所有権に関する欧州連合(EU)の法律を加盟国ではないスイスも採用すべきか、スイス有権者の民意が問われる見込みだ。スイスの日曜紙2紙は6日、立法の変更に反対するイニシアチブ(国民発議)が国民投票に十分な署名数を達成したと報じた。 

日曜紙NZZ・アム・ゾンタークと日曜紙ゾンタークス・ブリックの2紙は、国民投票に必要な5万件の署名が集まったという確実な情報を入手したと明らかにした。イニシアチブの支持者らはそれに対し、イニシアチブ提出の最終期限となる18日まで両紙に対するコメントは避けるとした。 

≫銃好きのスイスについてもっと詳しく 

2015年11月にパリで起こったテロ攻撃を受け、EUは銃規制法を強化した。加盟国間での情報交換を改善することで銃の所有と銃の不法輸入を抑制し、殺傷能力の高い銃器の入手を制限することを目的とする。人の自由な移動に関するシェンゲン条約の調印国であるスイスは、19年5月末までにこの変更を実施する予定だ。 

EUの銃規制強化は、半自動銃といった大量殺人が可能な武器の入手をより困難にすることを目的とする。スイスはEU加盟国ではないが、シェンゲン協定の存続のために立法の改革を迫られている。 

現状、スイス政府は銃所持を禁じているがいくつか例外外部リンクを容認している。国民皆兵のスイスでは、退役した人は武器の自宅保管が認められている。また、スポーツでの使用が許されているほかにも、装弾数が20発の銃は禁止されていない。 

しかし国民投票を求める銃規制強化の反対派はこれだけでは不十分としている。日曜紙NZZ・アム・ゾンタークの調査によると、スイスには推定250万~300万丁の銃器があり、これはスイス国民の3人に1人が銃を所持している計算になる

おすすめの記事



最も読まれた記事
在外スイス人

世界の読者と意見交換

ニュース

牧草をはむ牛

おすすめの記事

スイス、PFASの規制強化を検討

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府は「永遠の化学物質」の異名を持つ有機フッ素化合物(PFAS)の規制強化に着手した。飲み水の上限値は来年から引き下げられる。

もっと読む スイス、PFASの規制強化を検討
ツークの街並み

おすすめの記事

スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ

このコンテンツが公開されたのは、 世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。

もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
鏡を見るバレエダンサー

おすすめの記事

ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。

もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
自転車で遊ぶ子ども

おすすめの記事

スイス政府、国際養子縁組を禁止へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。

もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
生殖治療の画像

おすすめの記事

スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針

このコンテンツが公開されたのは、 スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。

もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
研究施設で働くマスク姿の人

おすすめの記事

スイスに感染症情報解析センター発足

このコンテンツが公開されたのは、 感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。

もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
茶色い除湿器

おすすめの記事

ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。

もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
Xマークの画面

おすすめの記事

スイスでX離れ進む

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。

もっと読む スイスでX離れ進む

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部