マスクに懐疑的だったスイス人だが、今では必要なら屋外でもマスクを着ける構えだ
Keystone / Jean-christophe Bott
スイス連邦政府の新型コロナウイルス対策に対し、国民の多くはより厳しくなった社会的な規制を支持しているものの、政府に対する信頼感はこの数カ月間で低下していることが世論調査で分かった。
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世論調査会社ソトモ外部リンクが30日に発表した調査によると、政府の危機対応に対する信頼が「大きい」「とても大きい」国民は回答者の37%だった。6月は66%、4月は67%だった。
一方、回答者の67%は新型コロナの流行拡大に対して連邦政府がより強く介入すべきと答えた。州政府による裁量を望むのは21%にとどまった。
調査は連邦政府が28日に追加措置を発表する直前の今月23~28日に実施された。だがソトモによると、19日の追加措置の多くは国民に支持されている。
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調査では、コロナの迅速検査を通じて、感染者・濃厚接触者に義務付けられた10日間の隔離期間を短くするよう望んでいることも分かった。
広がるマスク支持
スイスで懐疑派の多かったマスクについても、着用義務の拡大に賛意が広がっている。今回の調査では、64%が職場でのマスク着用義務を支持。「屋外を含め1.5メートル以上の社会的距離を保てない」場合にもマスク義務付けを支持する声も59%にのぼった。連邦政府は28日、マスク着用義務を「公共の屋内施設」からその屋外部分(レストランのテラスなど)や職場、教育機関の一部にも拡大した。
回答者の66%が飲食店の営業時間を午後11時までに制限することに賛意を示した(同措置は29日から導入)。また公私ともにイベントの観客・参加者の上限を10人にすることには66%が賛成。連邦政府の追加措置では、誕生会など私的イベントは10人、スポーツの試合など公的イベントには観客50人の制限が設けられた。
音楽・スポーツ活動に対する制限についても支持が広がる。約68%が合唱団、ブラスバンド、オーケストラの演奏・リハーサルの禁止を支持。最小距離を維持できず、マスクを着用できないすべてのスポーツ活動の禁止は63%が賛成した。29日以降、アマチュアの文化・スポーツ活動は原則15人までに制限されている。
一方で、隣国のフランスやドイツのように外出規制を含むロックダウン(都市封鎖)に対しては意見が真っ二つに割れた。49%が賛成、47%が反対で、年配には支持が多いが、35〜44歳の大多数は反対を示した。
世論調査は、スイス公共放送協会(SRG SSR)の委託を受けてソトモが実施。スイスの全言語地域の有権者3万4825人が回答した。
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