「女性の兵役義務化を」「男女の所得格差を解消して」―。スイスの政治に対し、国内各地の若者から300件に上る要望が集まっている。若者の政治参加を促進する全国キャンペーンの一環で、そのうち14件は実際に連邦議会で取り上げられるという。
このコンテンツが公開されたのは、
「チェンジ・スイス」と題したこのキャンペーンは、若者の政治参加を支援する非営利団体「スイス青年議会連絡協議会(DSJ)外部リンク」が主催。4月1日まで行われる。同団体によると、キャンペーンが始まった先月19日以降、オンラインプラットフォームを通じて約300件の要望が寄せられた。
要望の中には長期の父親の育児休暇制度の新設、女性の兵役導入のほか、男女の所得格差解消を求めるものもあった。
オンラインで参加を簡単
協議会のマウルス・ブルメンタール会長は以前、スイスインフォの取材に対し、オンラインプラットフォームに意見を書き込めば済むこのキャンペーンは、多くの若者の参加を見込めると語っていた。これまでは、議会に要望があるときは文書を送付するのが一般的だった。
キャンペーンが終わり次第、14人の若手現職議員がそれぞれ一つずつ提案を選ぶ。3週間におよぶ連邦議会会期中の6月11日には若者と直接、これらの提案について議論を交わす。
昨年も同様のキャンペーンが行われ、700件の要望が集まった。
スイス青年議会連絡協議会はスイスと隣国リヒテンシュタインの議会議員ら48人で構成。過去には、若者の政治参加と政治家育成を促進するため、連邦青年議会の設立を求めたこともある。
おすすめの記事
スイス、ロシアに追加制裁 輸出規制を強化
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は16日、ウクライナに侵攻するロシアへの追加制裁を発表した。ロシアの産業・軍事・技術に必要な製品の輸出規制が強化されるほか、政党、NGO団体、報道機関がロシア政府からの寄付を受け取ることが禁止される。
もっと読む スイス、ロシアに追加制裁 輸出規制を強化
おすすめの記事
チューリヒの一等地にパン屋開業 高級街に転機か
このコンテンツが公開されたのは、
高級ブランドが立ち並ぶチューリヒのバーンホフ通りにパン屋が開業し、大きな話題を呼んでいる。通りを象徴する百貨店の撤退や再開と合わせ、街の大きな転機になるとの指摘もある。
もっと読む チューリヒの一等地にパン屋開業 高級街に転機か
おすすめの記事
世界の年金制度ランキング、スイスは12位 首位はオランダ
このコンテンツが公開されたのは、
コンサルタント会社マーサーが14日公表した世界年金制度ランキング(2024年度)で、オランダが世界一の年金制度の評価を得た。スイスは12位にランクインした。
もっと読む 世界の年金制度ランキング、スイスは12位 首位はオランダ
おすすめの記事
チューリヒ映画祭、最優秀賞にルンガーノ・ニョニ監督 伊藤詩織監督作品は2部門受賞
このコンテンツが公開されたのは、
第20回チューリヒ映画祭(ZFF)が10月3日~13日開かれ、ルンガーノ・ニョニ監督のコメディ映画「On Becoming a Guinea Fowl」が最優秀作品賞を受賞した。2位には伊藤詩織さんが監督したドキュメンタリー映画「Black Box Diaries」が選ばれた。
もっと読む チューリヒ映画祭、最優秀賞にルンガーノ・ニョニ監督 伊藤詩織監督作品は2部門受賞
おすすめの記事
世界大学ランキング 連邦工科大学チューリヒ校は欧州1位
このコンテンツが公開されたのは、
英教育誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」が9日発表した世界大学ランキング(25年度)で、スイス連邦工科大学チューリッヒ校が前回に続き11位にランクインし、欧州内では1位の評価を獲得した。
もっと読む 世界大学ランキング 連邦工科大学チューリヒ校は欧州1位
おすすめの記事
スイスでチーズ品評会 最優秀賞決まる
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州ルガーノで開かれたチーズ品評会「スイスチーズ・アワード」で4日、1100品を超えるチーズの中から、最も優れた3品が選ばれた。
もっと読む スイスでチーズ品評会 最優秀賞決まる
おすすめの記事
チューリヒ、男がナイフで園児襲撃 命に別状なし
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ市北部で1日、路上を歩いていた園児の集団に男が刃物で切りつけ、子ども3人が負傷した。チューリヒ市警察は中国人留学生の男(23)を逮捕した。
もっと読む チューリヒ、男がナイフで園児襲撃 命に別状なし
おすすめの記事
氷河の融解でスイスとイタリアの国境に変化
このコンテンツが公開されたのは、
スイスはイタリアとフランスとの国境を変更した。イタリアとの国境は氷河の融解、フランスとの国境はジュネーブ地方の新しい路面電車と河川にそれぞれ関連している。
もっと読む 氷河の融解でスイスとイタリアの国境に変化
おすすめの記事
スイス中央銀行、0.25%の利下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は26日、政策金利を0.25%引き下げ、1%にすると発表した。
もっと読む スイス中央銀行、0.25%の利下げ
おすすめの記事
チューリヒ市の有権者、CO2回収プロジェクトを支持
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ市の有権者は22日の住民投票で、市内の下水処理場における革新的なCO2回収プロジェクトを承認した。
もっと読む チューリヒ市の有権者、CO2回収プロジェクトを支持
続きを読む
おすすめの記事
日本がたどった民主主義の長い回り道 広島&福島で
このコンテンツが公開されたのは、
世界第3位の経済大国が今、試練を迎えている。歴史上最悪の二つの人災を経て、日本はいまだに政治エリートのコントロール下に置かれ、消極的な民主主義国家に甘んじている。
もっと読む 日本がたどった民主主義の長い回り道 広島&福島で
おすすめの記事
賛成?反対?電子投票のメリットとデメリット
このコンテンツが公開されたのは、
電子投票は有益なのか、それとも危険なのか?今のところスイス国民の意見は二分している。電子投票の主要なメリットとデメリットを5点ずつまとめた。
もっと読む 賛成?反対?電子投票のメリットとデメリット
おすすめの記事
タウンミーティング
このコンテンツが公開されたのは、
単なる意見聴取の場にとどまらず、立法・行政手続きの一環に位置づけられるタウンミーティング。スイス直接民主制の心臓部が今、ほころびを見せている。住民自治の現場で何が起きているのか、五つの自治体で深層に迫った。
もっと読む タウンミーティング
おすすめの記事
固い土壌に民主化の種をまくスイス
このコンテンツが公開されたのは、
スイスはミャンマー、ラオス、タイ、台湾などの国々で民主化を支援している。一見すると簡単でほぼ当たり前のことのようだが、これらの国々で民主主義を根付かせることは一筋縄ではいかない。東南アジアから現地の様子をレポートする。
もっと読む 固い土壌に民主化の種をまくスイス
おすすめの記事
台湾はどうやって世界を代表する直接民主主義の法律を作り上げたか
このコンテンツが公開されたのは、
台湾島に始めて降り立ったポルトガル人の探検家たちは、山と森に覆われたこの島を「フォルモサ」(ポルトガル語:Ilha Formosa「美しい島」)と呼んだ。今日、台湾の人口は2300万人に上る。そしてわずか数年のうちに、世界でも有数の(直接)民主主義のモデル国家に成長した。
もっと読む 台湾はどうやって世界を代表する直接民主主義の法律を作り上げたか
おすすめの記事
「スイスのラテン民族」は存在するか?
このコンテンツが公開されたのは、
フランス語圏とイタリア語圏のスイス人、いわゆる「スイスのラテン民族」は独自の政治的価値を共有し、スイス・ドイツ語圏への対抗軸としての仲間意識を持っているとされる。だが現実は全く違うことが最近の調査で分かった。
もっと読む 「スイスのラテン民族」は存在するか?
おすすめの記事
男女同権への長い道のり 根強い性差別が残るスイス
このコンテンツが公開されたのは、
全米で広がった草の根運動「#MeToo」はスイスでも広がり、男女同権の現状に対する女性の不満の声が次々と上がった。スイスでようやく女性の選挙権が認められた1971年と比べ、今は何が違うのか。
もっと読む 男女同権への長い道のり 根強い性差別が残るスイス
おすすめの記事
女性はどこへ行った
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの女性は地元のタウンミーティングに出席したがらない――これはツーク州シュタインハウゼン村にも当てはまる。村の参事会(行政執行機関)では女性が活躍しているにもかかわらずだ。
もっと読む 女性はどこへ行った
おすすめの記事
「未来の統治システム 模範はシンガポールとスイス」 パラグ・カンナ氏
このコンテンツが公開されたのは、
「『三つの帝国』の時代」や「『持続性』の地政学」などの著書で知られるインド出身の国際政治学者パラグ・カンナ氏。スイスとシンガポールはいずれも世界一「退屈な国」といい、だからこそ「統治システムの模範になる」と話す。
もっと読む 「未来の統治システム 模範はシンガポールとスイス」 パラグ・カンナ氏
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。