記者会見室の外で談笑するウエリ・マウラー財務相(右)、ギー・パルムラン経済相(中央)、ヴィオラ・アムヘルト・スポーツ相
Keystone/Anthony Anex
スイス連邦政府は新型コロナ対応に伴う企業倒産を防ぐための救済基金を増額した。プロのスポーツチームへの補助も増やす。
このコンテンツが公開されたのは、
ウエリ・マウラー財務相は18日、政府は極めて困難な状況に陥った企業に対し、最大6億8千万フラン(約370億円)の資金枠を設けると発表外部リンクした。来月の連邦議会で審議・採決する。州当局は3億2千万フランを追加する予定。
マウラー氏は、主に輸出企業への支援が目的だと述べた。「春には何もかも元通りになるわけではない。コロナ危機は長期的な影響をもたらす可能性が高い」
一方、目先は流動性が企業のボトルネックになるとは見ていないとも述べた。
政府はまた、操業短縮制度や失業手当の拡充も決定した。実習生など有期雇用契約の従業員も対象に含む。
ギー・パルムラン経済相は同日の会見で「人員カットの回避が目的だ」と述べ、「政府は状況を注視し、必要に応じて措置を取る」と強調した。
スポーツにも補助
政府はまた、国内のプロサッカークラブとアイスホッケークラブに計1億1500万フランを助成すると決めた。経営陣の減給や青少年・女性スポーツの振興などを条件に、前年度シーズンのチケット収入の最大3分の2を補償する。2021年のスポーツ向け融資枠として用意した1億7500万フランをこの助成金に振り向ける。
政府は10月末、50人を超えるイベントの開催を当面禁止。州によってはより厳しい人数制限を課しており、プロスポーツは試合見合わせや無観客試合を強いられている。
ヴィオラ・アムヘルト・スポーツ相は「存在が危機にさらされているクラブもある」と述べた。「だがスポーツは社会、特に若者や社会統合にとって重要な役割を果たす。約10万人の雇用を占める経済セクターだ」と述べた。これまでの融資策ではクラブが生き残るには十分ではなかったと認めた。
医療支援
政府はまた、ひっ迫する病院や老人ホームを支援するため、スイス軍と社会奉仕活動(兵役の代わりに義務付けられる労働)の人員を派遣すると決めた。
おすすめの記事
おすすめの記事
スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。
もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール 韓国高校生男子が優勝、安海さんが3位
このコンテンツが公開されたのは、
ローザンヌ国際バレエコンクールの最終選考が8日に行われ、韓国のパク・ユンジェさんが優勝。群馬出身の安海真之介さんが3位で入賞した。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール 韓国高校生男子が優勝、安海さんが3位
おすすめの記事
スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
このコンテンツが公開されたのは、
世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。
もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
おすすめの記事
スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。
もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
おすすめの記事
スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。
もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
おすすめの記事
スイスに感染症情報解析センター発足
このコンテンツが公開されたのは、
感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。
もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
続きを読む
おすすめの記事
スイス製腕時計の輸出 新型コロナ影響でピンチ
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスの感染拡大はスイスの時計産業に大きな打撃を与えた。2020年は業界史上最も深刻な危機の年となる見通しだ。一方で専門家らは、過去に何度も危機を乗り越えてきた業界の底力に期待を寄せる。
もっと読む スイス製腕時計の輸出 新型コロナ影響でピンチ
おすすめの記事
消えた外国人観光客、スイス観光業へのダメージ深刻
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスの影響でスイスの観光業は悲鳴を上げている。今夏に向けて様々なアイデアで地元客の掘り起こしを図ってはいるが、国内客だけでは外国人観光客の穴埋めはできない見通しだ。平常に戻るまでには数年かかるとされる。
もっと読む 消えた外国人観光客、スイス観光業へのダメージ深刻
おすすめの記事
コロナが迫る黒字財政の放棄
このコンテンツが公開されたのは、
失業率の上昇や税収減、大きな打撃を受けた業界への支援策―新型コロナ危機はスイスでもその他の国でも、国家財政の大きな負担になろうとしている。 ウエリ・マウラー財務相は4月末、コロナ対策を盛り込んだ今年度予算の改定値を公表し…
もっと読む コロナが迫る黒字財政の放棄
おすすめの記事
スイス、コロナでOECD平均を上回る財政措置
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦議会は今月、新型コロナ危機を受けた異例の規模の緊急経済対策を承認した。650億フラン(約7兆2千億円)にのぼる経済対策は世界でも有数の規模だ。
もっと読む スイス、コロナでOECD平均を上回る財政措置
おすすめの記事
在宅勤務時の光熱費は誰が負担すべき?スイスの場合
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルス感染の第2波到来を受け、スイス連邦政府は先月末、国内の全従業員は再び可能な限り在宅勤務が望ましいと述べた。だが在宅勤務には法的・実務的問題が潜む。スイスはどう対処しているのか。
もっと読む 在宅勤務時の光熱費は誰が負担すべき?スイスの場合
おすすめの記事
コロナ危機下、開発援助はどうあるべきか
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナ危機のさなか、スイスの議会では今後の国際開発援助をどうすべきかについて審議している。
もっと読む コロナ危機下、開発援助はどうあるべきか
おすすめの記事
スイス慈善団体「幸福の鎖」 コロナ危機で寄付呼びかけ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス公共放送協会(SRG SSR)の慈善団体「幸福の鎖」は16日を「連帯の日」と定め、新型コロナウイルス感染拡大で大きな打撃を受けた人を支援する募金活動の締めくくりとする。
もっと読む スイス慈善団体「幸福の鎖」 コロナ危機で寄付呼びかけ
おすすめの記事
コロナ危機でスイスは戦後最悪の不況になるのか
このコンテンツが公開されたのは、
今年のスイス国内総生産(GDP)は少なくともマイナス6%に落ち込むと予想されている。新型コロナ第2波に見舞われれば、戦後最悪の不況に陥る可能性がある。
もっと読む コロナ危機でスイスは戦後最悪の不況になるのか
オピニオン
おすすめの記事
「貧困が顕在化しているースイスはそれに対処できるのか」
このコンテンツが公開されたのは、
5月初めの土曜日、ジュネーブの食料配給に長蛇の列ができた。これが何を表しているか。新型コロナウイルスによる健康への危機は鎮静化したが、経済危機は今始まったばかりだということだ。グレゴワール・バーベイ氏は、「スイスは、数カ月前には考えられなかった貧困に今後直面する」と警告する。
もっと読む 「貧困が顕在化しているースイスはそれに対処できるのか」
おすすめの記事
スイス人の生活を直撃したコロナ危機①
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスの感染拡大が深刻さを増す中、スイス連邦政府は2020年3月16日午後、感染症法に基づく非常事態を宣言した。
もっと読む スイス人の生活を直撃したコロナ危機①
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。