スイス連邦検察庁は、ブラジルの国営石油会社ペトロブラスと建設大手オデブレヒトをめぐる汚職調査「洗車作戦」の一環で、ジュネーブに本拠を置くプライベートバンクCramer&Cieの捜査を開始している。
このコンテンツが公開されたのは、
連邦検察庁(Bundesanwaltshaft/ MPC)は8日、AFPの取材に対し、ペトロブラスとオデブレヒトを巡る汚職事件で未決の刑事訴訟手続きが約40件あり、うち3件がスイスの金融機関に対するものであることを認めた。国際金融犯罪の暴露サイトGotham City外部リンクが、Cramer&Cieに対する捜査を開始したと7日に報じていた。
Cramer&Cieに対する刑事訴訟手続きは7月1日に提起。このブラジルの大規模な汚職スキャンダルをめぐる「他の刑事訴訟手続きから派生した」情報に基づくものという。
検察庁は「マネーロンダリング違反の実行を阻止できないような銀行の内部組織の欠落」があったとみている。Cramer&Cieは、この件にコメントしていない。
「洗車作戦」
ブラジルの汚職捜査「洗車作戦」は、同国史上最悪の企業汚職スキャンダルの1つ。2014年時はペトロブラスの収賄が中心だったが、その後事件が急速に拡大。スイスを含む複数の国の政治家、企業、銀行、検察関係者が摘発されている。
スイス連邦検察庁は昨年、この事件に関連してスイスのプライベートバンクJ.Safra Sarasinの捜査を開始したと発表した。
2018年2月には、スイス金融市場監査局(FINMA)がプライベートバンクPKB(本社・ルガーノ)に対し、マネーロンダリング(資金洗浄)規則に違反したとして130万フラン(約1億5千万円)の罰金を科した。
その他にもスイスの裁判所は今年2月、スイス・ブラジル国籍の男に対し、スイス、ブラジル、ポルトガルにおいて外国仲介業者に賄賂を提供し、マネーロンダリング違反の行為で、スイスで初の有罪判決を下した。
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
おすすめの記事
スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
このコンテンツが公開されたのは、
スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。
もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
おすすめの記事
ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
ユングフラウ鉄道グループは、ユングフラウヨッホの2024年の来場者が105万8600人となり、2015年以来6度目の100万人の大台を超えたと発表した。
もっと読む ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
おすすめの記事
2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは2024年の企業倒産件数が過去最高を記録した。
もっと読む 2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
おすすめの記事
国民投票に向けた署名がまたも偽造
このコンテンツが公開されたのは、
医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。
もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
おすすめの記事
スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
このコンテンツが公開されたのは、
1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。
もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
続きを読む
おすすめの記事
スイスの大銀行、犯罪対策が不十分?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの銀行大手クレディ・スイス(CS)が、国際的な不正取引に関わったとして金融当局の勧告処分を受けた。ただ営業停止や罰金などの処分がなかったことに首をかしげる専門家もいる。
もっと読む スイスの大銀行、犯罪対策が不十分?
おすすめの記事
スイス検事総長が史上初の弾劾に?FIFA汚職で
このコンテンツが公開されたのは、
国際サッカー連盟(FIFA)の汚職捜査をめぐり、連邦議会は20日、スイス連邦検事総長のミヒャエル・ラウバー氏の公聴会を開くことを決めた。議会司法委員会の決定次第では、初の高官の弾劾となる可能性が出てきた。
もっと読む スイス検事総長が史上初の弾劾に?FIFA汚職で
おすすめの記事
世界で強まる脱税取り締まり スイスの立ち位置は
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは長年の伝統だった銀行秘密を放棄し、税の自動的情報交換制度(AIE)に加わった。昨年から国内銀行にある外国人顧客の口座情報を36カ国と交換し、加盟国は今後約100カ国まで増える見通しだ。脱税を取り締まるためのこの枠組みに死角はないのか?
もっと読む 世界で強まる脱税取り締まり スイスの立ち位置は
おすすめの記事
スイスの「資金洗浄大国」汚名返上への道のり
このコンテンツが公開されたのは、
スイスはこの数年、マネーロンダリング(資金洗浄)との闘いに努力してきた。法制度も整ってきたが、一刻も早く補修すべき欠陥も残る。
もっと読む スイスの「資金洗浄大国」汚名返上への道のり
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。