スイス連邦議会は今月20日の総選挙で、やや左寄りの構成になりそうだ。
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9日発表された最新の世論調査によると、社会民主党と緑の党が国民議会(下院)で約3%議席を増やしそうだ。右派の国民党や急進民主党は3.3%減の見込み。
中道に位置するキリスト教民主党や自由緑の党、市民民主党はほぼ現状維持。調査は調査会社ソトモ外部リンクがスイス放送協会(SRG SSR)の委託を受けて実施した。
主要政党の議席変化予想は以下の通り。
ソトモのミヒャエル・ヘルマン代表は「おおよその構成は変わらないとはいえ、総じてスイス政治にとって大きな進展だ」と語った。
緑の党は特にフランス語圏で支持を広げており、その分社会民主党が苦戦している。一方、急進民主党はドイツ語圏の主要地域で支持を減らし、緑の党や自由緑の党が勢いづいている。
右派の国民党は2015年の前回総選挙で過去最高の得票率29.4%を記録したが、今回は議席の占有率首位の座を他党に明け渡すことになりそうだ。
最終世論調査の結果で最も注目されるのは、急進民主党の敗北だ。ヘルマン氏は、同党が環境問題に関して党の方針を変えたのが響いたと分析する。
つまらない選挙戦?
世論調査は、今回の選挙戦が盛り上がりを欠くとの批評を覆す内容となった。
「大きなドラマを予想している人はがっかりしたに違いない。だが政治学者の目からみれば面白い選挙戦になっている」(ヘルマン氏)
世論調査の詳細
スイス公共放送協会(SRG SSR)による「選挙バロメーター」は10月20日の総選挙に先立ち、調査会社ソトモが委託を受けて実施した世論調査。
対象は国民議会(下院)選挙で、全州議会(上院)は含まれない。
調査は全6回で、今回が最終回。回答者は1万2107人、うち在外スイス人は318人。9月26日~10月2日に実施した。
ソトモによると、誤差の範囲は+/- 1.4%。
(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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