中国の旅行会社は2月6日以降、世界20カ国を渡航先とする団体旅行を解禁する。新型コロナウイルスの検査が不要なスイスは、欧州で2カ国しか選ばれなかった渡航先の1つだ。
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フランス語圏の日刊紙ル・タン外部リンクが25日に報じた。中国政府は20日、新型コロナウイルス流行を受けて約3年間停止していた海外への団体旅行を2月6日以降に一部解禁すると発表。渡航先はスイスとハンガリーを含む20カ国で、日本は含まれていない。既に中国人口の8割がここ数週間で新型コロナに感染したことを受け、この決定に踏み切った。
約3年にわたる厳しい国境閉鎖を経て、中国政府は先月7日に突如、ゼロコロナ政策の大幅緩和を発表した。中国国内のほとんどの旅行制限を撤廃し、その後、海外旅行の解禁を決定。中国の旅行代理店は2月6日以降、世界20カ所への旅行商品を提供できる。
欧州連合(EU)は今年初め、中国からの渡航者に対して入国前の検査を義務付けするよう加盟国に勧告し、中国から批判を買っていた。スイスの近隣諸国では検査が義務付けられているが、スイス連邦内閣は11日、水際対策としての検査義務付けを現時点では行わないと閣議決定。「スイス国内では新型コロナウイルス感染症が広範囲に広がっている。中国から空路直行便で入国する渡航者は比較的少なく、検査を義務付けたところでウイルスの流行拡大に与える影響はほとんどない」とした。
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高級品の消費額が大きい中国人は過去10年間、多くの国にとって観光客の要だった。ドイツ語圏の日刊紙NZZは15日、中国人観光客はスイスのホテル客室稼働率を押し上げるだけでなく、1日に約380フラン(約5万3千円)消費すると報じた。その大半が土産の購入に使われるという。中国人は中東からの観光客に次ぎ、スイスで2番目に気前の良い観光客だ。
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中国政府のサイトChina.org.cnには、「中国人観光客は、海外に渡航する前に新型コロナウイルスに感染していないことを確認するよう求められる」とあるが、義務ではない。一方、中国への渡航者に対し、中国サイドは今も陰性の検査証明書を要求している。
英語からの翻訳:シュミット一恵
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