ドローン、コロナ検査、相乗り車線… 2023年に変わるスイスのルール
ドローン飛行の資格義務付けから新型コロナウイルス検査の費用負担まで、スイスで2023年1月1日に施行する法改正を紹介する。
航空業界:利用客は預け入れ荷物の遅延や紛失(ロストバゲージ)にあった時、航空会社に対して最大1640フラン(約23万5000円)の補償を請求できるようになる。これまでは1520フランだった。ただ面倒な事務手続きを踏まなければいけないことに変わりはない。
相続法:自分の財産の処分に関する自由度が上がる。これまでは、親は法定相続分の4分の3を子に残さなければならなかった。今後は2分の1を遺せばよくなる。一方、子が親に一定額を遺す義務はなくなる。配偶者や同性愛者のパートナーシップ制度に関しては変更なし。
ドローン:ドローンの製造と飛行に関する欧州連合(EU)の規制がスイスにも適用されるように。最大高度や重量制限、ドローンが飛行できる空域の制限に関する規則などだ。長距離飛行に対しては、地上にいる操作者に特別なライセンスの取得が義務付けられる。
養子縁組:仕事を抱えながら4歳未満の子供を養子にする人は、2週間の有給休暇を取得できるようになり、取得時期は養子縁組成立後1年以内なら自由に選べる。共働き夫婦はこの2週間を自由に分配できるが、同時に仕事を休むことはできない。すでに多くの州で養子縁組休暇制度があるが、継子を養子にする場合は諸手当の受給権はない。
投資家保護:銀行やその他の金融サービス業が複雑な金融商品について顧客に説明する際に守るべき最低基準が改定された。具体的には、基本情報シートを作成・提示しなければならなくなる。
新型コロナウイルス:コロナの検査費用が自己負担になる。健康保険が適用されるかどうかはケースバイケースで、結果が陽性で治療が必用な場合のみ検査費用をカバーする。
植物保護:潜在的なリスクが高い植物保護製品(除草剤や殺虫剤など)は使用できなくなる。特定の健康上のリスクをもたらすもの、水生生物に有毒・あるいは極めて有毒なもの、ミツバチに危険をもたらすものは、私的使用が禁止される。
テロ対策:民間人は爆弾の製造に使用できる化学物質を入手しにくくなる。高濃度の化学物質の購入には、原則として連邦警察局からの許可が必要に。例外的な場合にのみ、専門店が特定の製品を少量販売することが許可される。
付加価値税:売上高が25万フラン未満の非営利、自主運営のスポーツ・文化団体、慈善団体は、付加価値税の対象外となる。これまでは売上高15万フランが上限だった。
カープール:カープール(相乗り)用の新しい交通標識が登場。カープールが公共の交通を妨げない限りバス用車線を走行でき、専用スペースに駐停車できるようになる。
時速30キロメートルゾーンの要件が緩和され、地方自治体は事故多発地帯で制限速度を引き下げることがずっと簡単になった。これまでは非常に危険な状況が存在しなければ引き下げられなかった。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
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