スイスの視点を10言語で

FIFAの不正疑惑訴訟、コロナで時効に

statue of two footballers
2022年ワールドカップ(W杯)の開催予定地カタールには、06年ドイツ大会の不朽の名場面、ジダンとマテラッツィの銅像が建てられている Keystone / Str

2006年ドイツで開催されたサッカー・ワールドカップ(W杯)をめぐる不正疑惑で、4人の元サッカー業界幹部に対する裁判は再び中止された。期日までに判決を出すことは不可能になった。

スイス連邦刑事裁判所による裁判が一時停止され、起訴事実の判決期日の27日までに判決が出ないことになった。

06年のW杯に関して670万ユーロ(約7億8千万円)が支払われた事件をめぐる裁判は、新型コロナウイルス危機を受けたロックダウン(都市封鎖)に伴い、3月から中断されていた。

起訴されたドイツW杯組織委員会の元委員4人と、スイスの元国際サッカー連盟(FIFA)役員1人はいずれも70歳以上で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で重症化するリスクが高い。伝説のサッカー選手、フランツ・ベッケンバウアーも不正疑惑に関与した疑いがあり、証拠を提出することになっていた。

スイス連邦検察庁は、05年に独サッカー連盟からFIFAに送られた資金は、最終的に当時FIFAの財務委員だったモハメド・ビン・ハマムの口座に入金されたと指摘する。

弁護側が送金目的はW杯関連のイベント資金に充てるためだったと主張したが、検察はW杯開催に必要な2億5千万ユーロという大金をFIFAに支出させるため、ビン・ハマム氏を誘導する狙いがあったと主張する。

スイス検察庁は15年以来、FIFA関連の訴訟を約25件起こしている。2月にはFIFAのジェローム・ヴァルケ元事務局長と、パリ・サンジェルマンFCのナセル・アル・ヘライフィー会長を贈収賄罪で起訴した。

連邦刑事裁判所は21日、裁判の停止により被告は訴訟費用の補償を受ける権利があると述べたが、詳細はまだ決定されていない。

おすすめの記事
ワクチン

おすすめの記事

スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし

このコンテンツが公開されたのは、 スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。

もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
​​​​​​​

最も読まれた記事
在外スイス人

世界の読者と意見交換

ニュース

牧草をはむ牛

おすすめの記事

スイス、PFASの規制強化を検討

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府は「永遠の化学物質」の異名を持つ有機フッ素化合物(PFAS)の規制強化に着手した。飲み水の上限値は来年から引き下げられる。

もっと読む スイス、PFASの規制強化を検討
ツークの街並み

おすすめの記事

スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ

このコンテンツが公開されたのは、 世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。

もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
鏡を見るバレエダンサー

おすすめの記事

ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。

もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
自転車で遊ぶ子ども

おすすめの記事

スイス政府、国際養子縁組を禁止へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。

もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
生殖治療の画像

おすすめの記事

スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針

このコンテンツが公開されたのは、 スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。

もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
研究施設で働くマスク姿の人

おすすめの記事

スイスに感染症情報解析センター発足

このコンテンツが公開されたのは、 感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。

もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
茶色い除湿器

おすすめの記事

ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。

もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
Xマークの画面

おすすめの記事

スイスでX離れ進む

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。

もっと読む スイスでX離れ進む

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部