The Swiss voice in the world since 1935

汚れたプラごみ輸出規制へ バーゼル条約、21年発効

海岸に流れ着いたプラごみ
プラスチックによる海洋汚染が世界的な問題になっている Keystone

有害廃棄物の輸出入を規制する「バーゼル条約」の締約国会議がジュネーブで開かれ、汚れた廃プラスチックを規制対象とする改正条約を採択した。2021年1月に発効する。

バーゼル条約外部リンクは国連環境計画(UNEP)が中心となり1989年にバーゼルで採択、92年に発効した。国連によると、廃プラスチックの規制対象入りは加盟国約180カ国のうち大多数が賛同した。廃プラスチックの排出大国である米国は加盟していない。

今後、廃プラスチックを輸出する際には相手国の承認が必要になる。

スイス連邦環境省外部リンクのフランツ・ペレス国際局長は「スイスにとっては成功だ」とし、汚れた廃プラ​​スチックの輸出の「大幅削減につながる」と述べた。

今回は、残留性有機汚染物質を規制する「ストックホルム条約外部リンク」、有害化学物質の輸出入を制限する「ロッテルダム条約外部リンク」の締結国会議も合わせて開かれた。3つの条約締結国会議を合わせ「トリプルCOPs」と呼ばれる。

これら3条約の事務局長を務めるロルフ・ペイエ氏は、今回の合意が世界の海洋汚染を改善する手助けになると述べた。

ペレス氏は、この問題を「現実的」にとらえることが必要で、「汚染の大部分は必ずしも輸出ではなく、各国の廃棄物管理に関係している」と述べた。こうした理由から、特定の国を支援する新しい「プラスチックに関するパートナーシップ」も立ち上がった。同パートナーシップは「ビジネス、政府、学術、市民社会の資源、利益や専門知識を結集すること」を目的としている。

バーゼル条約のウェブサイトによると、廃プラスチックによる汚染は今や主要な環境問題となり、深刻な広がりを見せている。現在、推定1億トンのプラスチックが海洋で見つかっており、その80〜90%は陸上から流れ出ているものという。

最も読まれた記事
在外スイス人

世界の読者と意見交換

ニュース

大阪・関西万博

おすすめの記事

スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール

このコンテンツが公開されたのは、 日本を公式訪問中のスイスのイグナツィオ・カシス外相は22日、2025年大阪・関西万博のスイス・ナショナルデーのオープニングセレモニーに出席し、結束と対話を呼びかけた。

もっと読む スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
クラウス・シュワブ氏

おすすめの記事

WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任

このコンテンツが公開されたのは、 世界経済フォーラム(WEF)は21日、創設者で会長のクラウス・シュワブ氏が同日付で辞任したと発表した。

もっと読む WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
コーデリア・ベール

おすすめの記事

TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出

このコンテンツが公開されたのは、 米誌タイムズの「2025年最も影響力のある100人」に、弁護士コーデリア・ベール氏がスイス人女性では唯一ランクインした。ベール氏は気候訴訟で異例の勝訴判決を勝ち取った人物だ。

もっと読む TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
卵の棚

おすすめの記事

ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス小売大手のミグロ(Migros)は14日、アッペンツェル・アウサーローデン準州ヘリザウにある1店舗を年中無休化すると発表した。

もっと読む ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
スイスのカリン・ケラー・ズッター大統領

おすすめの記事

スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、米国の追加関税について、ドナルド・トランプ米大統領と電話会談した。

もっと読む スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部