スイスのウエリ・マウラー財務相は、エネルギー価格の高騰に苦しむ国民の支援に国費を投入する案を否定した。
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マウラー氏は25日付のドイツ語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガー外部リンクで、「ガソリンは裕福なスイスでは手ごろな価格だ」と語った。
連邦政府は4月、家計の負担軽減のための対策が必要かどうかを検討する作業部会を設置した。だが国民党(保守)出身のマウラー氏はインタビューで「そのためのお金はない」と言い切り、「インフレ率が2.5%ではそうした措置は必要ない」との見方を示した。
マウラー氏は景気減速への警戒心を鮮明にした。「不況が近づいているとみている。その深刻さは、ウクライナでの戦争がどのくらい続くかと、エネルギー価格次第だ」
制裁圧力に対抗
ウクライナでの戦争をめぐっては、スイスの銀行は対ロシア制裁を強化するよう求める圧力に抵抗すべきだとの見方を示した。
「どちらかと言えば制裁の手を緩め、『スイス・フィニッシュ』を加えずに実施せよ、と言わねばならない。スイスの銀行は、おそらく他のどこよりも厳しい制裁を課している」(マウラー氏)。スイス・フィニッシュとは、スイスの銀行に課されたバーゼル3よりも厳しい自己資本比率規制を指す。
マウラー氏は、エネルギー不足はガス火力発電所や、原子力発電所の寿命延長で補うべきだと述べた。隣国ドイツが建設中のガスターミナルにも資金援助する方針も示した。
(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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