祖国に帰った難民がスイスの難民認定を喪失するルールについて、スイス連邦議会は例外を設けることを決めた。
このコンテンツが公開されたのは、
国民議会(下院)は9月末、難民が祖国に帰った場合に難民認定を自動的に取り消すルールを可決。これに対して全州議会(上院)は、祖国への帰還が義務付けられていると証明できる場合には難民認定を留保するよう求める動議を提出・可決した。下院でも13日、この動議が199票対66票で可決された。
この例外は、これまでの慣例を踏襲するもの。これまでは祖国に帰る義務があることを当局が証明しなければならなかったが、今後は難民側に証明責任が移る。
保守・右派のスイス国民党は動議に反対票を投じた。同党のジャン・ルック・アドール議員は、「スイスの難民政策は最低限の信頼性を保証する必要がある」と主張した。シモネッタ・ソマルーガ司法相は、いかなる例外の廃止も「非人道的」であるとコメントした。
上下両院は、国境を接している国に移動する難民に関する措置についてはすでに合意している。例えばエリトリア人難民がエチオピアを経由して帰国するのを防ぐために、当局は全ての難民に特定の国を通ることを禁止できるが、例外を認めている。
おすすめの記事
世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
このコンテンツが公開されたのは、
スイス中部ベルナーオーバーラント地方のシュテッヘルベルクとミューレンの間に、世界一急勾配のケーブルカーが開業した。
もっと読む 世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
おすすめの記事
2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦議会は11日、カリン・ケラー・ズッター副大統領兼財務相(急進民主党、60歳)を新大統領に選出した。新副大統領にはギー・パルムラン経済・教育・研究相(国民党、65歳)が選ばれた。
もっと読む 2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
おすすめの記事
医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
このコンテンツが公開されたのは、
大手金融機関UBSが12日発表した調査「心配事バロメーター」によると、依然として医療費と健康保険料の高騰が最大の懸念事項だったことが分かった。環境と年金も懸念事項にあがっている。
もっと読む 医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
おすすめの記事
スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)が、留学生の授業料をスイス人学生の3倍に引き上げ、2025年秋学期から1学期当たり2190フランにすることを決めた。
もっと読む スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
おすすめの記事
世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの電力会社アクスポは5日、世界で最も古いベツナウ原子力発電所の稼働を2033年に終了すると発表した。33年までの運転継続にかかる追加事業費は3億5000万フラン(約600億円)を予定している。
もっと読む 世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
おすすめの記事
スイスのドライバー、2割が飲酒運転
このコンテンツが公開されたのは、
欧州など39カ国のドライバーを対象にした調査で、スイスでは2割超が飲酒運転をしたことがあると回答した。
もっと読む スイスのドライバー、2割が飲酒運転
おすすめの記事
狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
このコンテンツが公開されたのは、
先月29日午後、スイス西部ヴォー州で64歳の男性が狩猟中に死亡した。イノシシを撃とうとした 猟友会のメンバーに射たれた。
もっと読む 狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
おすすめの記事
自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
このコンテンツが公開されたのは、
今年9月にスイスで初めて使われた自殺カプセル「サルコ」について、連邦内閣は、当分の間、立法措置は必要ないとの見解を示した。サルコ運営団体は2日、身柄を拘束されていたフロリアン・ヴィレ代表が釈放されたと発表した。
もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
おすすめの記事
スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの金融誌ビランツがまとめた長者番付2024年版によると、スイス在住の富豪トップに輝いたのは、仏高級ブランド・シャネルのオーナー家族の1人、ジェラール・ヴェルテメール氏だった。上位の顔ぶれはほぼ前年と同じだが、香料メーカーのフィルメニッヒ(Firmenich)創業家が初のトップ10入りを果たした。
もっと読む スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
おすすめの記事
スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・ポイ捨て防止コンピテンスセンター(IGSU)の年次アンケート調査によると、「スイスでは多くのゴミが適切に処理されていない」と考える人は16%にとどまった。
もっと読む スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
続きを読む
おすすめの記事
スイス、難民受け入れ継続
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは「第三国定住制度」の枠組みで、2019年に難民800人を受け入れる。受け入れ難民の大半はシリア出身。
もっと読む スイス、難民受け入れ継続
おすすめの記事
難民救助船「アクエリアス」号へのスイス国旗掲揚を嘆願
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのNGOらは9日、スイス連邦政府に対し、難民の救助船「アクエリアス号」にスイス国旗を掲げることを認めるよう請願書を提出した。請願書には2万7千筆の署名が集まった。
もっと読む 難民救助船「アクエリアス」号へのスイス国旗掲揚を嘆願
おすすめの記事
スイスで新しい人生を歩みたい 見習い職業訓練を通じた難民の社会統合
このコンテンツが公開されたのは、
スイスに住む多くの難民同様、ソロモン・アクリルさんもまだ仕事を見つけられないでいる。しかし、2018年8月から、ベルン州のある会社で見習いをしながら職業学校に通えることになった。スイスは現在、難民の職能を高めようとしているところだ。4年間で4680万フラン(約54億円)を投資する。
もっと読む スイスで新しい人生を歩みたい 見習い職業訓練を通じた難民の社会統合
おすすめの記事
「自分の人生を自由に生きたい」 エリトリア人難民の場合
このコンテンツが公開されたのは、
エリトリア人難民のミキさん(18)は、スイスメディアの偏った報道によってエリトリア人の印象が悪くなっていると訴える。また、エリトリア人難民申請者と、スイスで生まれたエリトリア人の間には天地の差があるという。
もっと読む 「自分の人生を自由に生きたい」 エリトリア人難民の場合
おすすめの記事
難民が写すスイスの伝統行事
このコンテンツが公開されたのは、
サシ・スブラマニアムさんはスリランカからスイスにやってきた難民だ。母国でジャーナリストとして働いていたが、スイスでプロカメラマンの職業訓練を受け、卒業制作のテーマに「スイスの伝統行事」を選んだ。各州で16の地域のお祭りや行事を観察し、レンズを向けた。
もっと読む 難民が写すスイスの伝統行事
おすすめの記事
難民申請者が学ぶスイスの暮らし、仕事、そして性教育
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは難民申請者を対象に、暮らしのルールを伝える特別講座を開いている。講座では部屋探し、職場での振る舞い、そして性教育など、具体的なレクチャーが行われる。
もっと読む 難民申請者が学ぶスイスの暮らし、仕事、そして性教育
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。