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厳格化する国外居住者のスイス国籍取得

スイス新国籍法
2018年1月1日施行の新国籍法では、国外居住者のスイス国籍取得も厳格化される Keystone

スイスでは2018年1月1日の新国籍法の施行により、国外居住者のスイス国籍取得条件が厳格化する。例えば、祖母や曽祖母がスイス人というだけでは、スイスの国籍を取得できなくなる。

 過去10年間で計1万9000人の国外居住者がスイス国籍を取得した。大半がスイス人との婚姻によるものだ。婚姻による簡易国籍取得は、少なくとも6年間スイス人と婚姻関係にある必要がある。

 また、2016年にスイス国籍を取得した計4万3000人のうち、1847人が国外に住んでいた。

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 国外居住者のスイス国籍取得に関する主な改正は次の通り。

スイス国籍の付与は1世代に限定

 「血統主義」に基づくスイスの国籍法では、親にスイス人を持つ場合、国外で生まれた子に対しても自動的にスイス国籍が与えられる。しかし、85年7月1日までは父親の国籍は自動的に与えられるが、母親はその限りではなかった。つまり、母親がスイス人の場合、国外で生まれた子にスイス国籍は与えられなかった。

 しかし85年の改正により、それ以前に生まれた場合も含め、子に母親のスイス国籍を与えることが認められた。それは、祖母と曽祖母がスイス国籍の場合にも適用されたが、来年の新法施行によりスイス国籍の付与は1世代に限定されることになる。

国籍の再取得は10年以内

 国外で生まれ、スイス国籍の保持を希望する場合は、22歳の誕生日までにその意思を当局に知らせる必要があったが、18年の新法ではその年齢が25歳まで引き上げられる。

 反面、25歳の誕生日以降のスイス国籍取得に関しては条件が厳しくなった。スイス国籍を喪失してから10年以内は「再取得」という形で申請を行うことはできるが、その場合の国籍取得にはスイスで暮らすことが条件となる。

 この条件の厳格化は、例えば婚姻などによってスイス国籍を一度失った場合など、全ての国籍再取得希望者に該当する。しかし、17年12月31日までに申請を行った場合は、国籍を喪失した日から10年が過ぎた後でも、スイスとの「強い繋がり」を証明するだけでよい。

スイスとの繋がり

 さらに新法は、国外居住者のスイス国籍取得にスイスとの強い繋がりを条件とする。つまり、スイス社会に統合していることが求められる。例えば、申請者はスイスの公用語の少なくとも1言語を話せる必要があり、国についての基礎知識、スイス国民との頻繁の交流が求められる。さらに、申請日から過去6年間(現在は10年間)はスイスに居住している必要がある。

 最後に挙げた条件では、居住地域によって申請者の間で不平等が生じる。例えば、アルゼンチンやオーストラリアに比べて、フランスやイタリアに住む申請者の方がスイスに行きやすいからだ。こうした点は、審査過程において考慮される。

スイス国外居住者がスイス国籍を希望する場合、最寄りの大使館および領事館に申請を行う。

2017年12月31日までの申請については、現行の国籍法外部リンクのもとで手続きが行われる。

国外居住者のスイス国籍取得の詳細については、在外スイス人協会(ASO)のサイト外部リンクを参照。

(独語からの翻訳・説田英香)

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