スイスの全州議会(上院)は11日、武器輸出の規制を強化する動議2件をいずれも否決した。
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安全保障政策委員会の勧告に基づき投票が行われ、武器輸出の許可基準を政府ではなく議会が決定するよう求めた動議は賛成17、反対20、棄権6だった。紛争国への武器輸出を防ぐための規制強化については賛成16、反対22、棄権5だった。
同委員会の勧告は、一部議員らが立ち上げた紛争国への武器輸出に反対するイニシアチブ外部リンク(国民発議)に基づくもの。イニシアチブは現在、国民投票実施に必要な署名活動を行っているが、同委員会はイニシアチブに関する議論を先行するつもりはないとした。
>>スイスの武器輸出規制強化を求めるイニシアチブって?
動議の支持派は、タイ、パキスタン、サウジアラビアなどに輸出したスイスの武器が、結果的に紛争国に輸入されていると批判。反対派は動議が可決されれば様々な経済的利益が妨げられると主張した。
武器輸出の許可基準に関する動議は、中道右派の市民民主党が提出。国民議会(下院)は賛成97、反対82、棄権11で可決した。
紛争国への武器輸出規制を強化する動議は、中道右派・急進民主党のラファエル・コンテ議員が提出。同議員は、連邦監査局の報告書でも「現行の武器輸出法が(必要以上に)寛大に解釈され、抜け道も存在する」と書かれているとし、規制強化を訴えていた。
今回の動議2件はいずれも廃案となる。
スイス連邦政府は2008年、「軍隊なきスイスを目指す会外部リンク(GSoA/GSsA)」の武器輸出禁止を求めるイニシアチブを機に規制強化へ舵を切ったものの、14年に再び緩和した。
政府は昨年6月、内戦に使われないと証明できれば対象国への武器輸出を認めるとする新たな緩和策を打ち出したが、国民の猛反発を受け、10月に同案を撤回した。
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