国際環境団体グリーンピースのスイス支部が8日、スイス政府の気候変動政策 に対する抗議活動を起こした。
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グリーンピースのメンバーは首都ベルンにある連邦議事堂前に集まり、風船に繋がった垂れ幕を掲げた。スイス政府に二酸化炭素(CO2)排出量ゼロ促進と化石燃料の使用禁止を求めた。
団体のサポーターが各地で撮影した干害の写真を掲げ、この夏の異常な乾燥が気候変動によって引き起こされていると主張した。
グリーンピースの気候専門家、ゲオルグ・クリングラー氏は、「健康や氷河、緑あふれる牧草地、水、そして生物多様性を守るためには、今すぐ行動しなければならない」と述べた。
クリングラー氏は、スイスは他のヨーロッパ諸国に遅れをとっており、平均的なスイス国民のCO2排出量は高水準であると訴えた。
議会は今年後半に、2015年に締結した気候変動に関するパリ条約に即し、スイスの国内法改正に向け議論を始める予定だ。
国民発議の立ち上げも
これとは別に、ある市民団体は来春、2050年までに化石燃料の使用の全面禁止を連邦政府・議会に求める「氷河イニシアチブ」の立ち上げを計画している。石炭や石油、天然ガスを全面禁止する目標は野心的だが必要な手段だとし、スイスは同様の目標を掲げるスウェーデンやオランダに追随するべきだと主張している。
全国レベルでのイニシアチブ(国民発議)の実施には、18カ月以内に10万筆以上の署名を集める必要がある。
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途上国を含む全ての国が、温暖化防止に取り組むことを定めた「パリ協定」の行方に暗雲が漂っている。同協定からの脱退を公約したドナルド・トランプ氏が米国の次期大統領に決まったのが一因だ。スイスメディアや政府関係者の間では、温暖化対策の後退は避けられないとの見方が広がっている。
モロッコで開かれていた国連の気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)は19日、パリ協定の実現に向けて具体的なルールを2018年までに策定することで合意し、閉幕した。それに先立つ4日にはパリ協定が発効した。
「地球温暖化の取り組みで最も重要な人物、ドナルド・トランプ氏は現れず」。
COP22の閉幕にあわせて、スイスの有力紙NZZはこんな見出しの記事を掲載した。温室効果ガスの排出量世界2位の米国がトランプ氏の公約通り脱退すれば、パリ協定前に逆戻りしかねないと警鐘を鳴らした形だ。
トランプ氏は選挙戦中、地球温暖化を「でっち上げだ」と一蹴。パリ協定からの脱退に加えて、オバマ政権の環境・エネルギー政策の白紙撤回や、米環境保護庁(EPA)の解体を主張してきた。
NZZによると、COP22の会期中に参加国は、米国が脱退した場合の対抗措置についても議論。メキシコやカナダは、米国からの輸入品に炭素税を課すことを検討中だと報じている。
一方、日刊紙ターゲス・アンツァイガーは、温暖化問題に取り組む国際交渉に影を落としたのは、「トランプ・ショック」だけではないとも指摘。COP22では、パリ協定のルール作りをめぐり、先進国と途上国の対立が再燃した場面があったことを示唆した。
パリ協定では先進国と途上国の双方が温室効果ガスの削減で努力することが決まった。
だが、途上国側からすると、温暖化を招いた責任は先進国にあり、先進国は温室効果ガスの削減に積極的に取り組むと同時に、途上国の温暖化対策に資金や技術を提供すべきとの考えが根強い。
ドリス・ロイトハルト環境相はCOP22の会期中、途上国への資金・技術援助として500万フラン(約54億800万円)提供すると表明した。
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スイスの気候変動対策、「野心的だが現実的な」計画案
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スイスは2030年までに、温室効果ガス排出量を1990年比で半減することを目標に掲げている。その達成に向け政府は1日、三つの計画案に関する審議を開始した。だが環境保護団体などは、スイスは十分な努力をしていないと即座に反論した。
11月30日までに審議される三つの計画案は、パリ協定の批准、二酸化炭素(CO2)排出関連法の改正、そしてスイス・欧州連合(EU)間のCO2排出量取引の合意に関するものだ。
「地球全体の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度以内に抑える」という歴史的合意に達したパリの国際気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)から9カ月を経て、ドリス・ロイトハルト環境・エネルギー相は1日、スイスが最初の批准国60カ国入りを目指すとの考えを示した。
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気候変動対策に「肉税」を
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国連の専門家が最近、食肉への課税を提案した。肉の生産が温室効果ガスの排出に影響していると考えられるためだ。スイスの環境活動家もこの提案を支持。肉消費量が減少しているスイスでも、肉消費量を更に減らすために「肉税」を導入すべきだと主張している。
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