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米・キューバ外交回復に進展 スイスは歓迎

オバマ米大統領とキューバのカストロ国家評議会議長は17日の電話会談で、両国が国交回復を目指すことに合意。このニュースに、ハバナの人々は歓喜の声を上げた Reuters

バラク・オバマ米大統領は17日、国交断絶状態にあったキューバと外交回復に向けて交渉を始めると発表した。このニュースに対し、両国それぞれの利益を代表してきたスイスは歓迎を表明。スイス紙も両国の歩み寄りを高く評価している。

 スイス通信によると、スイス連邦外務省は米国・キューバ両国が国交正常化に向けて一歩踏み出したことを歓迎している。ただし、現在は情報不足のため、このことが今後、利益代表というスイスの役割にどのような影響を与えるかについては今のところ判断しかねるという。

 スイスは、国交断絶状態にあった米国とキューバ両国の利益代表国(利益保護国)を務めている。

 ある国が他の国と敵対関係にある場合、その国は敵対国内に置かれた自国の大使館や国民を守ることが難しくなる。そうした際に、第3国が代わってその国の利益を守るのが、利益代表という国際的な制度だ。スイスは1961年からキューバにおける米国の利益を、91年からは米国におけるキューバの利益を代表してきた。

スイス各紙の反応

 スイス各紙は、今回のニュースを大々的に取り上げている。ターゲスアンツァイガー紙は「これで冷戦は終わりへとさらに近づいたようだ」と、両国の関係改善を高く評価。

 ル・タン紙は、オバマ氏は最近の中間選挙で自身が所属する民主党が敗北を喫したために、力なき大統領と世間から見られていたと指摘。だが、「キューバとの国交回復で、彼は大統領任期中で最も勇敢な行動に出た」とオバマ氏を称賛している。

 一方、NZZ紙は「これでキューバ製シガーが米国で販売できるようになったわけではない」と指摘。米国では、キューバに対する禁輸措置の解除は大統領ではなく議会に権限があるため、米国・キューバ間の貿易に関してはまだ課題が多いとする。

 NZZ紙は他紙同様、53年続いた米国の禁輸措置は誤りだったと書く。「期待とは異なり、禁輸措置はキューバ政府を弱めるよりも、むしろ強化した。(キューバ製品の)ボイコットは(米国・キューバの)両サイドで、離れ離れとなった家族、観光客、ビジネスパーソンに不快な思いをさせてきた」

 トリビューン・ド・ジュネーブ紙は、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長のおかげで物事が進展したと、同氏のリーダーシップを評価。キューバが変われるかどうかは、今後数カ月が決め手になるとする。「半世紀以上続いたカリブの共産主義では数々の失敗が蓄積されてきた。そのうえで、あまり痛みを伴わずに(キューバが)より自由で民主的な政権へと変わることができるのか。まだ見通しはついていない」

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