スイスでは5月11日から、新型コロナウイルスに伴うロックダウンの緩和第2弾が始まる。国内の小中学校は休校が解除され、レストラン・文化施設は厳しい感染予防対策の下で営業を再開する。
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スイスは3月中旬から学校が休校になり、スーパーや薬局など必需サービスを除く店舗は営業を停止していた。それから約1カ月後の27日、緩和第1弾として美容院やホームセンターなど一部業種が再開。政府は29日に予定通り第2弾の緩和を実施すると発表した。
何が解禁される?
レストランは1卓4人まで。テーブル同士の間隔は少なくとも2メートル空ける。
ただ5人を超える公的・私的な集会の禁止は継続する。政府は国民に相手と2メートルの距離を空けるソーシャルディスタンシング(社会的距離)、手洗いなどの衛生対策を徹底するよう求めた。
1千人を超える主要なイベントは8月末まで禁止とした。夏に各地で行われる野外音楽フェスや映画祭は軒並みキャンセルとなりそうだ。
シモネッタ・ソマルーガ連邦大統領は29日の会見で「実践的で段階的なアプローチに基づき今回の決定に至った」と語った。 「これは我々の戦略のもう1つのステップ。極端な需要に与することを避けた」とも述べた。
ロックダウン緩和の方針をめぐっては、特定の産業界と右派・中道政党が政府に対し、緩和のスピードを速めるよう圧力をかけていた。
ソマルーガ大統領は、「ワクチンや薬が利用可能になるまでには時間がかかる」とし、スイスはウイルスと共存していかなければならないと語った。
休校の解除
飲食、スポーツ、文化と広い分野の事業が解禁されるが、アラン・ベルセ内務相は、国民に対し気のゆるみは禁物だと呼びかけた。今後の緩和は、向こう数週間の新規感染者数、入院患者数の推移などを注視して決めるとした。
ベルセ氏は、再開の方針について全ての詳細を規制するのは困難だったと述べた。また、教育に関しては州に決定権があると語った。
16歳までの子供たちの授業(音楽学校も含む)が5月中旬に再開する。高校では、少人数のグループであれば授業ができる。
博物館、図書館、公文書館も再開できる。公共交通機関は適切な防護対策が整い次第、通常ダイヤに戻る。乗客へのマスク着用推奨が防護対策に加わる可能性がある。
必需サービス以外の全店舗が5月11日に再開することは、当初の予定通りだ。
州の保健担当局は5月中旬以降、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の接触追跡を再開する予定だ。
スイス経済の夜明け
ギー・パルムラン経済相は「これはスイス経済にとって新たな夜明けだ」と述べた。「だが地平線にはまだ暗雲が多い」。
同氏は操業短縮制度への申請が依然多いこと、さらに失業者の増加や景気後退が予測されていることにも触れた。
パルムラン氏は「政府は、防護対策の下で事業活動を徐々に再開するという戦略を取る。(対策を守る立場の)企業・個人の責任感を信頼している」と述べた。
6月8日には5人超の集まり禁止の解除、大学・その他の高等教育機関、スポーツの無観客試合、宗教サービス、山岳鉄道の解禁が予定されている。政府が5月末に最終決定する。
(英語からの翻訳・宇田薫)
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