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IOC、ロシア・ベラルーシ代表を除名せず

Ukrainian flag and other flags
3月2日、2022年北京冬季パラリンピックの選手村に掲げられたウクライナの国旗 Olympic Information Services/ioc

国際オリンピック委員会(IOC)はロシアとベラルーシ出身のメンバーを除名しないと決めた。IOCメンバーは個人として選ばれており、所属国を代表するものではないとオリンピック憲章で定めているためと説明する。

スイス連邦政府は国際スポーツ団体の幹部職から2国を排除するよう求めている。これに対し、スイス西部ローザンヌにあるIOCは18日、スイスの通信社Keystone-SDAの取材で除名に応じない方針を示した。一方、引き続き「この戦争に責任があり五輪による平和を侵す個人・組織を公に非難する」とも表明。状況を注視し、今後の展開によってはさらなる手段を取る権利があると保証した。

IOCによると、現在ロシアのメンバーが参加するIOC会議は予定されていない。

スイス政府は措置強化を要請

スイスを含む約30カ国は3月、ロシアやベラルーシに対し効果的な措置を取るよう国際スポーツ団体に求める意見書を発表した。

今月14日にはスイスのヴィオラ・アムヘルト・スポーツ相がIOCのトーマス・バッハ会長宛ての書簡で、現在のウクライナの状況を踏まえると2国のアスリートを国際競技から排除するだけでは不十分だと指摘した。スポーツ省のマティアス・レムンド長官は数多くの国際スポーツ団体が拠点を置くスイスには、スポーツ界から強いシグナルを送ることが期待されていると主張している。

スイス連邦スポーツ省のクリストフ・ラウエナー広報官は16日、国際スポーツ団体は私法に基づいて組織されているが、IOCは国家よりも効果的な措置を取り、必要があれば特定の団体を五輪関連組織から除名することもできるとも指摘した。

(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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