トランプ米大統領やマクロン仏大統領が出席をキャンセルした世界経済フォーラム(ダボス会議)。大物のキャンセルで開催地のダボスは大損害を被るかと思いきや、スイスメディアの分析ではそうでもなさそうだ。
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トランプ大統領は10日、政府機関の一部閉鎖を理由にダボス会議の出席を断念すると表明した。1月22~25日の会期中までに閉鎖が収束するかは見通しがつかない。
ダボス会議の創設者クラウス・シュワブ氏は「権力者の威光を浴びるのを好む」ため、トランプ氏のキャンセルを残念がっているだろう。ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)の外交担当記者、フレディ・クシュタイガー氏はこう分析外部リンクする。
スイスのウエリ・マウラー大統領も首脳会談の機会を逃し惜しんでいるに違いない。だがトランプ氏の存在は「ダボス会議を豊かにするというよりは負担になる」(クシュタイガー氏)。建設的な提案をするわけでもなく、ダボス会議という華やかな舞台を利用して自分の主張を世界に喧伝するだけだからだ。
ダボス会議にはトランプ氏を含め会議に華を添えるだけの大物が出席する必要はなく、「トランプ氏の欠席を、2019年ダボス会議を成功に導く好機とすべきだ」とクシュタイガー氏は指摘する。「人々の注目を多少なりとも独占してしまう人物がいない機会に、今後の世界経済にとって重要なトピックについてしっかりと議論するべきだ」
それでも儲かる
トランプ氏がいなくとも、ダボスの地には米国マネーが注ぎ込む。こう分析するのはドイツ語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガーだ。
同紙は米政府のデータベースを調べ、「予算問題で高官を派遣できないとしても、米政府は高額をダボス会議に投じ続ける」。クロスターズの三つ星ホテルに23万2千フラン(約2600万円)、ダボスの会議場に22万8千フラン。少なくとも345万フランがトランプ一行のために支払われたという。複数の政府関係者は会議に出席する。
「スイス視点に立つと、米政府の支出額はダボス会議が地元観光業にとって大きな意味を持つことを示す」
ただトランプ氏のキャンセルで支払い済みの料金がどうなるかは不透明。同紙は米紙クアルツの報道を引用し、ダボスのホテルその他の「厳格なキャンセル規則」を踏まえると、米政府は何らかの形で支払うことになると解説した。
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