スイスの視点を10言語で

スイス、ウクライナとモルドバに200億円規模の追加支援

破壊されたウクライナの学校
1月30日、ウクライナのオレホボで、ロシアの砲撃により被害を受けた学校。学校へのシェルター設置は、スイスによる支援策の焦点の一つ Copyright 2023 The Associated Press. All Rights Reserved.

スイス連邦政府は22日、ウクライナとモルドバに対し、1億4千万フラン(約202億円)規模の追加の人道支援を行うと発表した。

スイス政府は声明外部リンクで、「ウクライナの人々が置かれた不安定な状況を改善し、国家としての機能を確保するために」継続的な支援が必要だと述べた。 

1億4千万フランのうち、1億1400万フランをウクライナ、2600万フランをモルドバに割り当てる。一部は既存の補正予算から支出可能だが、約9200万フランは議会の承認を必要としている。 

今回の追加支援は、ウクライナ・モルドバとスイスとの繋がりの深さに依拠したものであると、政府は述べている。「今回の緊急支援は、スイスが得意とする分野において、両国のニーズと要望に応えるもの。活動内容には、学校のシェルター、病院やエネルギーインフラの修理、農業の中小企業への小口融資、地雷除去、住民への心理的サポートなどが含まれる」 

スイスはこれまでに、ウクライナ支援に13億フランを支出した。うち2億7千万フランはウクライナ国内、10億3千万フランはスイスに避難してきたウクライナ人の支援に振り向けた。ロシアがウクライナに侵攻を開始した昨年2月24日から1年間で、約7万5千人のウクライナ人がスイスに避難した。 

パラダイムシフト 

政府は声明で、「2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの軍事攻撃は、大陸の現代史における大きなパラダイムシフトとなった」とし、「連邦内閣は、この軍事攻撃を最も強い言葉で非難し、敵対行為の停止とウクライナの全領域からのロシア軍の撤退を改めて要求する」と述べた。 

また、国際人道法を尊重するよう求め、国際刑事裁判所が開始した国際犯罪捜査を支持するとした。 

英語からの翻訳:大野瑠衣子

最も読まれた記事
在外スイス人

世界の読者と意見交換

ニュース

牧草をはむ牛

おすすめの記事

スイス、PFASの規制強化を検討

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府は「永遠の化学物質」の異名を持つ有機フッ素化合物(PFAS)の規制強化に着手した。飲み水の上限値は来年から引き下げられる。

もっと読む スイス、PFASの規制強化を検討
ツークの街並み

おすすめの記事

スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ

このコンテンツが公開されたのは、 世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。

もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
鏡を見るバレエダンサー

おすすめの記事

ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。

もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
自転車で遊ぶ子ども

おすすめの記事

スイス政府、国際養子縁組を禁止へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。

もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
生殖治療の画像

おすすめの記事

スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針

このコンテンツが公開されたのは、 スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。

もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
研究施設で働くマスク姿の人

おすすめの記事

スイスに感染症情報解析センター発足

このコンテンツが公開されたのは、 感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。

もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
茶色い除湿器

おすすめの記事

ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。

もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
Xマークの画面

おすすめの記事

スイスでX離れ進む

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。

もっと読む スイスでX離れ進む

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部