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スイス、ウクライナの負傷者受け入れに方針転換

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スイスはウクライナ人負傷者を国内の病院に受け入れるとの方針転換を表明した。連邦外務省が20日、明らかにした。

まずは、負傷したウクライナの子供155人をスイスへ搬送する。

スイスの日刊紙ターゲス・アンツァイガーは18日付の記事外部リンクで、スイスは国際法上の中立国としての立場に反するという理由から、ウクライナ人負傷者を国内で治療しない方針を示していると報道。

ウクライナから国外への負傷者搬送に当たる北大西洋条約機構(NATO)担当機関からの正式な協力要請に対し、スイスの一部の州は既に5月の時点で受け入れに前向きな姿勢を示していたことなども報じられ、厳しい批判の声が上がった。各界識者や政治家などからも政府方針を疑問視する指摘が相次いだ。

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兵士は搬送せず

外務省のヨハネス・マティヤシー副長官は、スイスが当初受け入れを認めなかったのは、誰を治療に搬送するか、決定権はウクライナ側にあったからだと説明。搬送される人物が兵士かどうかを確認できなかったのが問題だったとした。

アルテム・リブチェンコ駐スイス・ウクライナ大使は21日、ドイツ語圏スイス公共放送(SRF)に対し、ウクライナからスイスに兵士を治療目的で搬送しないことを確約する文書が、ウクライナの在外公館から外務省宛てに送られたと語った。

(英語からの翻訳・大野瑠衣子)

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