顔を覆う衣服の着用を全国レベルで禁止すべきかどうかを問う国民投票が行われた場合、スイスの有権者の76%が賛成票を投じるつもりでいる—。実質的なブルカ着用禁止をスイス人の多数が支持していることが、スイスの独語および仏語の日曜紙ゾンタークス・ツァイトゥングとル・マタン・ディマンシュが報じた調査結果で分かった。一方で、スイスがイスラム教を公式宗教として認めることについても回答者の約半数が賛成している。
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同調査では、右派国民党が推進する「顔や全身を覆う衣装着用禁止にイエスを」というイニシアチブ(国民発議)について、10人中6人が「必ず賛成する」と回答した。「どちらかというと賛成」は16.5%、「どちらかというと反対」は7%、「必ず反対する」が13%、「まだ決めていない」が3%だった。
また、頭部を覆うスカーフの着用を学校内では禁止すべきとした人は約7割に上った。
全身を覆うブルカや目の部分だけを出すニカブ着用に否定的なスイス人が多い一方で、宗教としてのイスラム教についてはその限りではなく、イスラム教をキリスト教と同じく公認宗教にするという案にも48%が賛成している。同案の発案者である左派社会民主党は、「イスラムのコミュニティーがあくまで穏健なイスラム教を守り、組織の透明性を確保することが前提だ」としている。
同調査外部リンクは、市場調査会社マーケットエージェントが12月7〜18日の期間中、スイスの独仏語圏の18歳から75歳の計1264人を対象にオンライン上で行った。
スイスではこれまでのところ、公共の場で顔を覆う衣服を着用することを全面的に禁じる法律があるのはティチーノ州のみ。ザンクト・ガレン州では、これよりも緩やかな内容の禁止令が可決されている。一方、同様のイニシアチブを住民が否決したのは、チューリヒ、ソロトゥルン、シュヴィーツ、グラールスの各州およびバーゼルシュタット準州。さらに先日、ヴァレー州の議会では、被り物の着用禁止を求める住民投票を違憲とする決議を採択した。
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このイニシアチブでは、ベールなど、顔全体を覆うあらゆる衣服の着用をスイス全土で禁止することが求められている。発起人は、右派の政治家と活動家からなるグループ。彼らはスイスが「イスラム化」する恐れがあり、また顔を隠すことが治安問題につながると主張している。同グループは2009年、イスラム寺院の塔ミナレットの新規建設を禁止するイニシアチブを成功させ、国際的批判を呼び起こした。
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ティチーノ州では2016年7月以降、顔を覆い隠すベールの着用が禁止されている。同州の住民がそう決定したためだ。
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