スイス連邦政府が進める戦闘機購入計画で、スウェーデン・サーブ社のJAS39グリペンEが、スイス空軍基地で今月末に予定している候補機のテスト飛行に参加しないことになった。グリペンEは候補機レースから脱落、F35Aを含む4機に絞られた。
このコンテンツが公開されたのは、
サーブ社は13日、テスト飛行への不参加を発表。声明外部リンクによると、テスト飛行は2019年時点で運用準備が整った機体に限られ、開発途中のグリペンEはこの条件を満たさないため、連邦国防省装備局(armasuisse)が同社にテスト飛行へ参加しないよう勧告した。テスト飛行は今月24~28日を予定している。
同社の最新鋭機グリペンEは現在、スウェーデン、ブラジルで製造・テスト中。スイス軍による新戦闘機候補の募集に対し、今年1月25日、グリペンEを申請していた。
同社は「テスト飛行の対象は2019年時点で運用準備が整った航空機とするというスイスの計画と、グリペンEの開発計画が合致しない」と述べた。ただ「スイス政府が配備を予定する時期には運用を開始し、必要とされる機能もすべて搭載している」と強調した。
連邦国防省装備局は同日、声明外部リンクを出し、テスト飛行の延期は他の候補機との公平性を保てないとして認めなかった。
スイス連邦政府は老朽化した戦闘機の入れ替えのため、計60億フラン(約6600億円)の戦闘機購入計画を進めており、空軍基地で候補機のテスト飛行を実施していた。残る4機はF35A、ラファール、F/A-18E/Fスーパーホーネット、ユーロファイタータイフーン。
>>スイス、どの戦闘機を買う?
候補機は2020年中に評価を終え、政府が最終決定を行う。新しい戦闘機の導入は2025年までに完了する見通し。戦闘機購入計画は任意のレファレンダムの対象で、今後国民投票にかけられる。
>>国民投票にかけられる戦闘機購入計画とは?
おすすめの記事
おすすめの記事
レファレンダムとは?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは国民が憲法改正案を提案したり、連邦議会で承認された法律を国民投票で否決したりできる。
もっと読む レファレンダムとは?
新しい戦闘機購入計画は国内で物議を醸している。 スイス連邦政府は過去にもグリペン戦闘機22機を総額31億フランで購入する計画を立ち上げたが、2014年の国民投票で53%の反対により否決された。
おすすめの記事
おすすめの記事
5種類の戦闘機、スイスはどれを買う?
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦内閣が80億フラン(約9200億円)をかけて新しい戦闘機と迎撃ミサイルを購入する計画を進めている。
もっと読む 5種類の戦闘機、スイスはどれを買う?
おすすめの記事
スイス製狙撃弾60万発以上がウクライナに
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの弾薬製造会社Pディフェンスの狙撃用弾薬が昨年7月、ポーランドの会社経由でウクライナに届いていた。スイス公共放送が報じた。
もっと読む スイス製狙撃弾60万発以上がウクライナに
おすすめの記事
核ごみ処分場計画「国民投票で可決されれば加速」
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・チューリヒ州の放射性廃棄物処分場建設計画をめぐり、計画主である放射性廃棄物管理協同組合NAGRA(ナグラ)は、国民投票による決着を歓迎する姿勢を示す。
もっと読む 核ごみ処分場計画「国民投票で可決されれば加速」
おすすめの記事
スイスの核廃棄物処分場計画、反対派が国民投票計画
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ州の放射性廃棄物処分場建設計画が、正式な認可が下りる前から反対運動に直面している。
もっと読む スイスの核廃棄物処分場計画、反対派が国民投票計画
おすすめの記事
ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
このコンテンツが公開されたのは、
ビートルズのジョン・レノンさんが殺害される2カ月前にオノ・ヨーコさんから贈られ、その後盗まれた腕時計について、スイスの連邦最高裁判所はオノさんに時計の完全な所有権があるとの判決を出した。
もっと読む ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
おすすめの記事
スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス証券取引所を運営するSIXグループは11日、英国の証券取引サービスプロバイダー、アクイス・エクスチェンジを買収すると発表した。今後、多角的取引システム(MTF)に参入する方針だ。
もっと読む スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
おすすめの記事
2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は12日、2022年の1世帯平均の可処分所得はひと月6902フラン(当時レートで約95万円)だったと発表した。前年からほぼ横ばいだった。
もっと読む 2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
おすすめの記事
CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
このコンテンツが公開されたのは、
今月30日、ロシアの研究機関とジュネーブに拠点を置く欧州原子核研究機構(CERN)との協力協定が終了する。研究者はCERNのプロジェクトに影響を及ぼすと警告している。
もっと読む CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
おすすめの記事
女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・バーゼル大と英ダラム大が1989年から2002年の間にスウェーデンで初等教育を修了した75万人以上の生徒のデータを用いて行った調査で、女子生徒の方が多いクラスを出た女性はより多くの収入を得る傾向があることが分かった。
もっと読む 女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
おすすめの記事
11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアルプスで、季節外れの暖かさが続いている。スイスで最も標高の高い地点にあるユングフラウヨッホでは観測史上最高を記録した。
もっと読む 11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
おすすめの記事
スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで肉食をやめる人が増えている。植物性食品を推進するスイスベジ協会(Swissveg)は30日、スイスのベジタリアンやビーガンの数は過去5年間で約40%増加したと発表した。
もっと読む スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
続きを読む
おすすめの記事
スイス政府、総額6千億円の戦闘機購入計画を国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
日本では安倍晋三首相がF35戦闘機の大量購入をトランプ大統領に表明したとして物議を醸したが、遠く離れたスイス連邦内閣は戦闘機と迎撃ミサイル購入計画のうち、内閣は総額60億フラン(約6600億円)の戦闘機購入だけを国民投票にかけることを決めた。
もっと読む スイス政府、総額6千億円の戦闘機購入計画を国民投票へ
おすすめの記事
武器輸出企業名の公開命じる判決 スイス最高裁
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの記者が国に武器輸出企業の名前を公開するよう求めた裁判で、スイス連邦最高裁判所は24日、連邦経済相経済管轄局(SECO)の上告を棄却。連邦行政裁判所の判決通り、同局に企業名の公開を命じた。
もっと読む 武器輸出企業名の公開命じる判決 スイス最高裁
おすすめの記事
スイス、国営の武器製造会社を完全民営化へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦内閣は15日、国営武器製造会社ルアグ(RUAG)の事業変更計画を承認した。スイス軍への兵器供給事業は切り離し、航空機製造ルアグMROインターナショナルを航空宇宙技術会社とするほか、将来的には完全民営化する。
もっと読む スイス、国営の武器製造会社を完全民営化へ
おすすめの記事
スイス上院、武器輸出の規制強化案を否決
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの全州議会(上院)は11日、武器輸出の規制を強化する動議2件をいずれも否決した。
もっと読む スイス上院、武器輸出の規制強化案を否決
おすすめの記事
スイス国防相、他国と救援装備の共有を提案 災害増加に備え
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのギー・パルムラン国防相は、火災や干ばつのような緊急事態に対応するために、ヘリコプターなどの救援航空機を他の国と共有する考えを示した。
もっと読む スイス国防相、他国と救援装備の共有を提案 災害増加に備え
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。