スイス連邦政府は8日、ラジオ・テレビ法関連の政令改正案を発表し、一般世帯の受信料を2029年までに年間335フラン(約5万6千円)から300フランに引き下げる意向を示した。事業所の受信料についても、免除の対象を年間収益50万フラン未満から120万フラン未満に変更する。
このコンテンツが公開されたのは、
連邦政府は8日の声明外部リンクで、公共放送の強制的受信料の減額を目指すイニシアチブ(国民発議)「200フランで十分!」に対し、「スイス公共放送協会(SRG SSR)が提供するジャーナリズムと地域に根ざした放送に広範囲に影響をもたらす」として反対を表明。イニシアチブに対する直接的・間接的な対案は提案しないとしたものの、家庭の経済的負担を考慮し、ラジオ・テレビ法関連の政令改正案をまとめたと発表した。受信料水準の決定について、政府は引き続き自身の権限事項としたい考えだ。
アルベルト・レシュティ通信相は会見で、国は同案によって、一般世帯に対し行動の必要性を認識していると伝えたいと説明した。
一般世帯の受信料は2027年に312フラン、2029年に300フランと2段階に分けて引き下げられる。事業所に対する免除基準の変更は2027年に予定されており、追加で約6万3千社が免除されることになる。レシュティ氏はこれにより「事業所の約8割が免除対象となるだろう」と述べた。
スイス公共放送協会にとって、受信料の変更は1億7千万フランの削減を意味する。そのうち1千100万フランは事業所の免除基準の変更にともなう削減となる。連邦通信省通信局(OFCOM)のベルナルト・マイセン局長は、これに広告収入の損失2千万フランを加えなければならないと述べた。
連邦内閣は関係省庁に対し意見聴取手続きを開始するよう要請した。協議期間は2月1日まで。
英語からの翻訳:大野瑠衣子
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
おすすめの記事
スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
このコンテンツが公開されたのは、
スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。
もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
おすすめの記事
ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
ユングフラウ鉄道グループは、ユングフラウヨッホの2024年の来場者が105万8600人となり、2015年以来6度目の100万人の大台を超えたと発表した。
もっと読む ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
おすすめの記事
2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは2024年の企業倒産件数が過去最高を記録した。
もっと読む 2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
おすすめの記事
国民投票に向けた署名がまたも偽造
このコンテンツが公開されたのは、
医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。
もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
おすすめの記事
スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
このコンテンツが公開されたのは、
1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。
もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
おすすめの記事
スイス、「若すぎる」子犬の輸入を禁止
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは来年2月1日から、生後15週未満の子犬の商業輸入を禁止する。安易なネット購入を抑止するのが狙い。
もっと読む スイス、「若すぎる」子犬の輸入を禁止
続きを読む
おすすめの記事
受信料減額案、スイス国民の6割が支持
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで公共放送の強制的受信料の減額を目指すイニシアチブ(国民発議)について、国民の61%が賛成していることが世論調査で明らかになった。
もっと読む 受信料減額案、スイス国民の6割が支持
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。