人権団体アムネスティ・インターナショナルはスイス連邦政府に対し、国内の医療従事者に対する新型コロナウイルスの影響を調査し、防護措置を強化するよう求める。
このコンテンツが公開されたのは、
アムネスティは労働組合やヘルスケア団体と共同で数週間以内に公開書簡を出す予定。医療従事者から十分な署名が集まり次第、提出するという。
アムネスティは今年7月までに、世界中で約23万人の医療従事者が新型コロナウイルス感染症にかかったとしている。ただ、アムネスティによれば、スイスはこうした統計が存在しない。
アムネスティは「スイスの医療従事者たちは、非常に大きな感染リスクにさらされている。しかし、この職業に就く人たちがパンデミックでどれだけ影響を受けたのか、正確なデータはない」とし「医療従事者により適切な防護措置を講じるためには、信頼できるデータが必要だ」と訴える。
今年7月、ベルン州の介護施設職員がドイツ語のスイス公共放送(SRF)に対し、州とスイス軍から支給されたマスクの中に使用期限切れでカビの生えたものが混じっていたにもかかわらず、ベルン州保健局に料金を請求されたと訴えた。
アムネスティは、一部の国では医療従事者が不必要なリスクにさらされていると糾弾。スイスの状況も個別に精査すべきだと主張する。
アムネスティは国内の医療関係者の状況を調査し、新型コロナウイルス感染症を業務上の疾病にするか否かを判断すべきだという。またパンデミック(世界的大流行)中に医療従事者がどれだけサポートを受けられたかを明らかにすべきだとしている。
書簡は、2つの労働組合(VPOD外部リンク、ウニア外部リンク)、スイス介護労働者協会が支援している。
おすすめの記事
世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
このコンテンツが公開されたのは、
スイス中部ベルナーオーバーラント地方のシュテッヘルベルクとミューレンの間に、世界一急勾配のケーブルカーが開業した。
もっと読む 世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
おすすめの記事
2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦議会は11日、カリン・ケラー・ズッター副大統領兼財務相(急進民主党、60歳)を新大統領に選出した。新副大統領にはギー・パルムラン経済・教育・研究相(国民党、65歳)が選ばれた。
もっと読む 2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
おすすめの記事
医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
このコンテンツが公開されたのは、
大手金融機関UBSが12日発表した調査「心配事バロメーター」によると、依然として医療費と健康保険料の高騰が最大の懸念事項だったことが分かった。環境と年金も懸念事項にあがっている。
もっと読む 医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
おすすめの記事
スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)が、留学生の授業料をスイス人学生の3倍に引き上げ、2025年秋学期から1学期当たり2190フランにすることを決めた。
もっと読む スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
おすすめの記事
世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの電力会社アクスポは5日、世界で最も古いベツナウ原子力発電所の稼働を2033年に終了すると発表した。33年までの運転継続にかかる追加事業費は3億5000万フラン(約600億円)を予定している。
もっと読む 世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
おすすめの記事
スイスのドライバー、2割が飲酒運転
このコンテンツが公開されたのは、
欧州など39カ国のドライバーを対象にした調査で、スイスでは2割超が飲酒運転をしたことがあると回答した。
もっと読む スイスのドライバー、2割が飲酒運転
おすすめの記事
狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
このコンテンツが公開されたのは、
先月29日午後、スイス西部ヴォー州で64歳の男性が狩猟中に死亡した。イノシシを撃とうとした 猟友会のメンバーに射たれた。
もっと読む 狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
おすすめの記事
自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
このコンテンツが公開されたのは、
今年9月にスイスで初めて使われた自殺カプセル「サルコ」について、連邦内閣は、当分の間、立法措置は必要ないとの見解を示した。サルコ運営団体は2日、身柄を拘束されていたフロリアン・ヴィレ代表が釈放されたと発表した。
もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
おすすめの記事
スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの金融誌ビランツがまとめた長者番付2024年版によると、スイス在住の富豪トップに輝いたのは、仏高級ブランド・シャネルのオーナー家族の1人、ジェラール・ヴェルテメール氏だった。上位の顔ぶれはほぼ前年と同じだが、香料メーカーのフィルメニッヒ(Firmenich)創業家が初のトップ10入りを果たした。
もっと読む スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
おすすめの記事
スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・ポイ捨て防止コンピテンスセンター(IGSU)の年次アンケート調査によると、「スイスでは多くのゴミが適切に処理されていない」と考える人は16%にとどまった。
もっと読む スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
続きを読む
おすすめの記事
コロナ時代のロボット活用術
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学でロボット工学の教授を務めるブラッド・ネルソン氏は、中国の世界最大級の病院にロボットカテーテルシステムを設置する計画を立てていた。そこへコロナ危機が直撃した。
もっと読む コロナ時代のロボット活用術
おすすめの記事
スイス式民主主義、防護マスク製造にも
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスの第2波が近づいている。創意豊かなスイス人2人が立ち上げた「保護マスクイニシアチブ」は、保護力が証明された認定マスク製造の分散化・民主化を目指す。
もっと読む スイス式民主主義、防護マスク製造にも
おすすめの記事
「スイス科学医療軍」の創設を
このコンテンツが公開されたのは、
今我々が直面しているような公衆衛生の問題に立ち向かうには科学と軍隊のコラボレーションが必要だ、とリスクマネジメント・コンサルタントのルドルフ・トムソン氏は考える。
もっと読む 「スイス科学医療軍」の創設を
おすすめの記事
コロナ検査 そもそも最適な検査率はある?
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルス感染症の人口当たりの検査率でスイスは世界トップに入る。しかしスイスの総人口に占める感染者の割合はまだ把握できていない。新型コロナQ&A第2弾は、最適な検査率というものがそもそも存在するかどうかを探る。
もっと読む コロナ検査 そもそも最適な検査率はある?
おすすめの記事
スイスの高齢者施設を見舞ったコロナ危機
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルス危機は、スイスの高齢者施設にも大きな影響を与えた。お年寄りや介護士はこの非常事態にどう向き合ったのか。
もっと読む スイスの高齢者施設を見舞ったコロナ危機
おすすめの記事
スイスのコロナ感染追跡アプリ、25日本格運用
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは25日、新型コロナウイルス感染者との濃厚接触者を追跡するアプリの一般向けダウンロードがスタートする。コロナ流行第2波を防止するアプリを多くの人に使ってもらうため、ユーザーのプライバシーを最優先に開発した。
もっと読む スイスのコロナ感染追跡アプリ、25日本格運用
おすすめの記事
新型コロナ急速拡大 スイスの検査体制に黄信号
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は、コロナウイルスの感染例をすべて把握する段階は超えたとして、ターゲットを絞って検査を行うアプローチに切り替えた。一部の州は政府の方針に反し、検査体制の大幅拡充を急ピッチで進める。
もっと読む 新型コロナ急速拡大 スイスの検査体制に黄信号
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。