スイス軍が余剰マスクとしてウイルス予防効果の低い製品を家庭や学校、州に安値で転売していたと報じられた。
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スイス軍は昨年、二流品70万枚を含む余剰マスクを数百万フランで買い取った。それらを破棄しなくて済むよう、軍は1枚0.01フラン(約1.2円)で州や基礎自治体、家庭、学校に転売。非営利団体には無料で配布された。
タメディア系新聞は24日、軍薬局が質の悪いマスクを大量に流通させたとの独自調査を報じた。マスクは四川鄭寧医療機器と称する中国メーカーの製品。2020年4月の購入価格は1枚0.70フランだった。
核や化学・生物兵器対策を専門とするシュピーツ研究所は、事前にマスクをテストしていた。ドイツ語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガーによると、最も重要な特性である不織布の透過性において、軍の販売したマスクは標準マスクより「大幅に劣る」結果が示された。標準マスクや他のテスト済みマスクに比べ約2〜4倍多くの粒子が軍マスクの繊維を透過したという。結果報告書は求めに応じて軍が2020年6月11日に公開した。
同紙によると、軍薬局が21年2月以降に流通させた四川鄭寧製マスクは約330万枚に上る。一部は軍自身も使用した可能性があるという。
スイス軍のシュテファン・ホーファー広報官は、「衛生マスクを含む第Ⅰ種医療機器については、製品の適合性に関する証明責任は製造業者が追っていた」と、軍によるマスク購入・再販売を擁護した。軍薬局は問題のマスクの適合性を「確認し、承認」したという。
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