スイスの視点を10言語で

駐スイス外交官に科された反則金、数億円が未払い

車のフロントガラスに違反票を差し込む警官
2014年~17年の間、ジュネーブに駐在する外交官に科された340万フラン(約3億7千万円)相当の反則金が未払いになっている Keystone

スイスの首都ベルンや国際都市ジュネーブに駐在する外国の外交官らに対し、違法駐車やその他の交通規則違反で科された反則金のうち、数百万フラン規模が支払われていないことが分かった。

 22日付けの独語圏の日曜紙ゾンタークス・ツァイトゥングが報じた。2014年~17年の間に、ベルン州にある90カ所の大使館に勤める外交官に科された反則金は、74万5千フラン(約8200万円)にのぼった。うち支払われたのは14万1300フランだけだった。

 国連の欧州本部や33カ国の代表部が置かれるジュネーブ州では、状況はさらに深刻だ。同じ期間で科された反則金は4百万フランを超える。当局に納められたのは62万9千フラン弱で、340万フランが未払いとなっている。

 1961年に結ばれた外交関係に関するウィーン条約に基づき、外交官ナンバーを付けた外交官車両は現地の法律が適用されない。反則金が支払われない場合、交通違反があったという事実はまずスイス警察からスイス外務省に通知され、その後該当する大使館に転送される。

 反則金の納付状況は数年前よりは改善している。2010年の ベルン州の反則金の納付率は1割にすぎなかったが、昨年は25%に改善。ジュネーブ州はおよそ2割だった。

 スイス外務省の広報は同紙に「スイスに駐在する国外からの外交使節の交通マナーについて、スイス外務省はコメントする立場にない 」と語った。

SonntagsZeitung/sb

最も読まれた記事
在外スイス人

世界の読者と意見交換

ニュース

Xマークの画面

おすすめの記事

スイスでX離れ進む

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。

もっと読む スイスでX離れ進む
ベルジエ報告

おすすめの記事

「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱

このコンテンツが公開されたのは、 スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。

もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
整備中の飛行機

おすすめの記事

スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠

このコンテンツが公開されたのは、 スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。

もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
署名の入った箱

おすすめの記事

国民投票に向けた署名がまたも偽造

このコンテンツが公開されたのは、 医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。

もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
エリック・ヘンニさん

おすすめの記事

スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト

このコンテンツが公開されたのは、 1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。

もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部