スイス連邦議会は26州間の税収格差を均す財政調整制度を年後半にも改正する。都市部の負担が大きくなってきたためだ。
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スイスは州ごとの税収の不均衡を均すため、連邦政府および税収の多い州が共通財源に拠出し、税収の少ない地方・山間部の州に振り分ける財政調整制度がある。国民議会(下院)は7日、チューリヒ、ジュネーブ、バーゼル、ツークなど都市部の州による拠出額を減らす方針で一致した。一方、地方・山岳地域は年間最大5億フラン(約540億円)の財源を失う可能性がある。
全州議会(上院)は年後半に改革案を承認する見込みだ。
改革案の支持派は、人口が増えている都市部は、福祉や教育、医療支出といった財政負担が農村部に比べ大きくなると主張。共通財源への拠出の減額を正当化する。
改正財政調整制度は2020年に発効する予定。州や連邦政府の間の論争に終止符が打たれそうだ。
同制度は08年に導入され、スイスの連邦制度の屋台骨とされている。財政に関して、26州に幅広い自治権を与える。
スイスでは、連邦、州および基礎自治体の3段階で税金が課される。26州は独自に税率を設定する。2200以上の自治体は独自の税率を設定するか、州の定める基礎税率を踏襲することができる。
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