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新しい人道フォーラム、1カ月後にスタート

「ジュネーブ国際高等研究所で経営学を専攻したアナン前国連事務総長が、色々な機関の仲介役を勤めることは偶然ではない」とカルミ・レ大統領はコメントし、アナン前国連事務総長が人道フォーラム会長の最適任者であると歓迎した。 Keystone

ミシュリン・カルミ・レ大統領とコフィ・アナン前国連事務総長はジュネーブでの共同記者会見で9月17日、スイス政府が資金援助し創設を進めてきた「グローバル人道フォーラム ( Global Humanitarian Forum )」が1カ月後にスタートすると発表した。

この人道フォーラムの第1テーマは地球温暖化問題とそれによって起こる自然災害の予防と援助である。

 スイス外務省 ( EDA/DFAF ) が今年6月に提案し、創設を進めてきた「グローバル人道フォーラム」はジュネーブの国連広場から数歩の旧邸宅「ヴィラ・リゴ ( Villa Rigot ) 」の中にできる。目的は人道援助の専門機関や政府、さらに企業まで取り込み、これらの橋渡し役を務め、話し合いの場としてのプッラトフォームを作り上げること。このコーディネーションを指揮するのがコフィ・アナン前国連事務総長である。

人道フォーラム、予防も目的

 「人道援助は経済問題、環境問題などと切り離して考えられない時代になっている。これら関係各界の壁を取り払い、協力して人道援助を押し進めるという新しい試みがこの人道フォーラム」とカルミ・レ大統領は説明し、さまざまな国連機関があるジュネーブがそれには最適の場所であると、この地でのスタートを歓迎した。

 一方、アナン前国連事務総長は「われわれは今まで災害が起こった場合の援助にのみ力を注いできた。これからは、いかに災害が起こらないようにするか、ないしは少なくするかという予防にもっと力を注ぐべきだ」と語り、新しい人道フォーラムが予防を目的にした機関であることも強調した。

企業も人道援助で大きな役を果たす

 それには、今まで1つのテーブルに一緒に着いたことのない「役者たち」を集め、対話させることが大切であるという。アナン前国連事務総長はコカコーラはどんな人里離れた所にも行き渡っているのに、ワクチンがそこまで届いていない例を挙げ、「企業の持つ配給能力のノウハウを人道援助に役立ててもらえないか」と考える。

 また災害時の物資の配給で活躍してくれる軍隊なども欠かせないと考える。国際法、人道法の専門家の知識もこうした災害時の人の移動問題には必要だ。こうした知識者グループの人々、軍隊、企業、各政府、WHO ( 世界保健機関 )、ILO ( 国際労働機関 ) などの国連諸機関、NGOなど、テーマに従って色々な「役者たち」に「テーブルに着いてもらう」ことになる。

 人道フォーラムの第1回のテーマは「地球温暖化問題とそれによって起こる自然災害の予防と援助」になるとアナン前国連事務総長は言う。「今日、アフリカやアジアなどでの温暖化が引き起こす災害の被害は、紛争の被害より大きくなっている」と懸念を隠さず、人道フォーラムが今後果たす役割の大きさを示した。

swissinfo、里信邦子 ( さとのぶ くにこ )

人道フォーラムは今年6月にスイス外務省( EDA/DFAF ) によって創設が決定された。

ジュネーブ州が国連広場のそばの旧邸宅「ヴィラ・リゴ ( Villa Rigot ) 」を提供した。

スイス政府はこのフォーラム創設に130万フラン( 約1億3000万円 )の資金援助をした。今後もスイス政府は資金的援助を続行するが、他の政府、企業からの援助も予定されている。

フォーラムのスタッフはおよそ20人を見込んでいる。

正式なスタートは10月17日。

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