ドイツ政府はスイスを含む近隣諸国からの入国制限を、5月15日まで延長すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、3月中旬から実施していた。
このコンテンツが公開されたのは、
対象はスイス、オーストリア、フランス、ルクセンブルク、デンマーク。ドイツースペイン、イタリア間のフライトも含まれる。
スイス側は3月13日、感染が拡大していたイタリア国境の入国を制限。同月17日には、ドイツ、オーストリア、フランスとの陸路国境、同国間のフライトを制限した。同19日にはスペイン、シェンゲン域外の第三国、同25日にはシェンゲン全域内からの入国も制限された。
現在スイスに入国できるのは、スイス国民、滞在許可証保持者、職業上の理由(スイス国内で就労しており、証明書を持っている人など)、医療・衛生部門の従事者、第三国への通過目的、または「緊急の理由」がある人のみ。
スイス連邦司法省は、5月11日から国境制限を段階的に緩和する。すでに届け出のあった外国人の就労申請の手続き再開、欧州連合(EU)・欧州自由貿易連合(EFTA)域内出身者の外国人家族の呼び寄せなどが可能になる。
ただ日本などシェンゲン域外からの入国制限が緩和されるのは当面先のことになりそうだ。
欧州委員会は日本を含む第三国からのEU、シェンゲン域内への入国を15日まで制限している。スイスはEU加盟国ではないが、シェンゲン協定に参加している。
隣国では徐々に緩和
ドイツは、規制の緩和を徐々に進めている。ただドイツ側の国境では、ドイツ人・永住者以外は正当な理由がない限り入国できない。EU市民がドイツを経由し母国に戻る、またトラックの運転手らは通過が可能。検問所の数も減らしている。
オーストリアは防護・監視措置を取りつつ段階的に緩和する。隣国との陸路国境は7日まで現行の制限を続ける。スイスなど隣国からオーストリアに入国する場合は、新型コロナウイルス検査で陰性だったことを示す医師の診断書が必要(入国日からさかのぼって4日以内のもの)。証明書がないと入国は拒否される。オーストリアとスイス間の旅客列車は運休しており、フライトも制限されている。
ただオーストリアのクルツ首相は国内メディアとのインタビュー外部リンクで、国境制限の段階的緩和を検討中で、現在スイス連邦政府と協議していると語った。
フランスも国境に厳しい制限を課している。居住者、越境労働者、医療従事者、輸送業者は入国が認められているが、入国証明書が必要になる。フランス政府は11日から徐々に制限を解除する予定だ。緩和後は、スイス、英国を含むシェンゲン圏内からの入国者に対する隔離は行わない。
イタリアへの入国、国内移動は少なくとも5月18日まで厳しく制限される。緊急事態、労働・健康上の理由がある人のみ可能だ。
スイスへの旅行と滞在に関する問い合わせ先
連邦移民局外部リンク:スイス国境に関する詳しい情報、入国拒否になるケース、ビザ(査証)の発行状況などに関する情報はこちらへ。
連邦外務省外部リンク:渡航に関する政府の勧告についてはこちら(仏語、独語、伊語)
連邦内務省保健庁外部リンク:新型コロナウイルスの国内最新情報、政府の予防措置や推奨事項、よくある質問(FAQ)などはこちら。
おすすめの記事
スイス、国際養子縁組を終了へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は29日、外国籍の子どもの養子縁組を終了する意向を表明した。虐待防止に向けた対策としている。
もっと読む スイス、国際養子縁組を終了へ
おすすめの記事
スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。
もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
おすすめの記事
スイスに感染症情報解析センター発足
このコンテンツが公開されたのは、
感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。
もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
おすすめの記事
スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
このコンテンツが公開されたのは、
スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。
もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
おすすめの記事
ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
ユングフラウ鉄道グループは、ユングフラウヨッホの2024年の来場者が105万8600人となり、2015年以来6度目の100万人の大台を超えたと発表した。
もっと読む ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
続きを読む
おすすめの記事
スタートアップに融資支援、新型コロナ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は、新型コロナウイルス危機によりキャッシュフローに問題が生じたスタートアップ企業への緊急融資制度を整えた。5月7日~8月末まで申請を受け付ける。
もっと読む スタートアップに融資支援、新型コロナ
おすすめの記事
スイス・バーゼル美術館、オンライン展示で外出自粛を支援
このコンテンツが公開されたのは、
ネットフリックスなどオンデマンド動画配信サービスは、コロナ危機の前から多くの人の生活を変えていた。新規参入社はあしざまに言われることが多かったが、今は選択肢が増えるほど良いと歓迎されるようになった。遠くの映画館まで足を運…
もっと読む スイス・バーゼル美術館、オンライン展示で外出自粛を支援
おすすめの記事
スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。
もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
おすすめの記事
ロシュの新型コロナ抗体検査、米FDAが承認
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの製薬大手ロシュ(本社・バーゼル)は3日、同社開発の血清学的検査(抗体検査)が米国食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可を取得したと発表した。
もっと読む ロシュの新型コロナ抗体検査、米FDAが承認
おすすめの記事
スイス、新型コロナ臨時議会が開会
このコンテンツが公開されたのは、
4日、スイス連邦議会の臨時議会が開会した。新型コロナウイルス危機下で政府が講じたさまざまな緊急措置を話し合う。
もっと読む スイス、新型コロナ臨時議会が開会
おすすめの記事
コロナ詐欺、引っかかりやすいのは誰? スイスで研究
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行でインターネットでのやりとりが増えたのに乗じたオンライン詐欺が広がっている。1カ月前に立ち上がったスイスの摘発サイトは、既に200件以上のコロナ詐欺を発見した。多くは価格の吊り上げや偽物の販売だ。
もっと読む コロナ詐欺、引っかかりやすいのは誰? スイスで研究
おすすめの記事
スイス7.3兆円のコロナ対策 財源はどこ?
このコンテンツが公開されたのは、
失業防止策、資金繰り難に陥った企業へのつなぎ融資、文化・スポーツ業界への助成、医療用マスクの購入――スイス政府が打ち出したコロナ経済対策の財源は、どこから出てくるのだろうか。
もっと読む スイス7.3兆円のコロナ対策 財源はどこ?
おすすめの記事
スイスの学校再開、州でさまざま
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは5月11日に学校が再開する。1日までに複数の州が詳しい再開方針を発表したが、ある州は全面再開、別の州はより慎重、と温度差がある。
もっと読む スイスの学校再開、州でさまざま
おすすめの記事
遠く離れたスイスで沈黙を写すテジュ・コール
このコンテンツが公開されたのは、
米国の写真家、作家、評論家のテジュ・コールは、2014年から2019年の夏をスイスで過ごし、国の至る所にある山々の間の空間や看板を探求した。それらの作品を本「Fernweh」にまとめ出版。Fernwehはドイツ語で「はるかな地への憧れ」を意味する。新型コロナウイルスで各々が孤立した今の私たちに、より一層響く言葉だ。
もっと読む 遠く離れたスイスで沈黙を写すテジュ・コール
おすすめの記事
スイスのコロナ対策で現れた文化圏の壁
このコンテンツが公開されたのは、
スイス中に広がった新型コロナウイルスの感染予防策をめぐり、ドイツ語、フランス語、イタリア語圏の文化の違い、いわゆる「レシュティの溝」が如実に現れた。
もっと読む スイスのコロナ対策で現れた文化圏の壁
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。