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氷河特急事故最終報告 早過ぎた加速が原因

事故後、ブリーク ( Brig ) の車庫に運び込まれた氷河特急の車両 Keystone

2010年7月23日、マッターホルン・ゴッタルド鉄道 ( MGB ) が運行する人気の観光列車「氷河特急 ( Glacier Express ) 」が事故を起こし、日本人女性1人が死亡、42人が負傷した。調査を行っていた鉄道船舶事故調査委員会 ( UUS ) が1月20日、最終報告を発表した。

事故の原因は、事故現場直前のカーブを曲がる際、列車の速度が速すぎたためであることが確認された。

脱線ではなく、遠心力で横倒しに

 列車は脱線したのではなく、遠心力が強過ぎたために横倒しになった。地理的条件、天候、線路の状態、運行ダイヤ、運転士に対する指示、車両の状態は事故とは一切無関係であることが確認された。

 この最終報告を受けてマッターホルン・ゴッタルド鉄道は同日、プレスリリースを発表し、

「わが社の社員が列車を早く加速したためにこのような痛ましい事故を招くことになった。深い遺憾の意を表す」

 と記した。

 「調査ではテスト運行も行った。その結果、ダイヤ通りの運行は可能であり、どの時点においても運転士が速度を上げて運転するよう指示を受けたことはなかったことが明らかになった。マッターホルン・ゴッタルド鉄道が所有する鉄道網における列車の遅延は、スイス全体の鉄道網での遅延の平均と同レベルだ。

 事故を起こした列車は、規定速度の時速35キロを上回る時速56キロで走行していた。テスト結果によると、事故現場では時速約52キロまでは車両が横転することはないと考えられる。

独自の調査

 マッターホルン・ゴッタルド鉄道は連邦政府の鉄道船舶事故調査委員会の調査とは別に、事故直後から独自に原因を究明する調査を開始した。種々のワークグループが設置され、最善化への可能性を査定して、それを継続的な改善プロセスの中で実現化していくという。 鉄道船舶事故調査委員会は同社に対し、特別な対策は要求していない。

 プレスリリースによると、マッターホルン・ゴッタルド鉄道は事故を起こした運転士に対して事故直後からサポート体制を取ってきた。

「企業内での別のポジションを数回にわたって約束し、本人もこの申し出を受け入れている。現在係争中の裁判の判決結果を問わず、元運転士は今後もわが社で運転業務以外の分野で勤務してもらう意向だ」

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