赤十字国際委員会(ICRC、本部・ジュネーブ)は4日、今後1年で国内外の職員1500人を削減すると発表した。また、国内外の350カ所にある事業所のうち、少なくとも20カ所を閉鎖する。
このコンテンツが公開されたのは、
いくつかの援助プログラムも縮小もしくは中止される予定だ。
ICRCは昨年、2023年の活動資金として27億9千フラン(約3900億円)の支援を求めていたが、資金不足に直面していた。そのため先月28日に開かれた総会で、今年から来年初頭にかけた4億3千万フランの予算削減を承認した。
ロバート・マルディーニICRC事務局長は先月、スイスメディアに「人道支援全般への寄付が減っている」と話し、ウクライナでの戦争勃発により世界の他の地域での危機が「忘れ去られている」と指摘した。
ICRCは今年創立160周年を迎えた。マルディーニ氏はフランス語圏のスイス公共放送(RTS)のラジオ番組で、ICRCが抱える最も重要な活動10件のうち、資金調達の見通しが前向きなのはウクライナだけだと述べた。他のすべての活動(アフガニスタン、シリア、イエメン、南スーダン、ソマリア、イラク、コンゴ民主共和国、エチオピア、ナイジェリア)は資金調達が困難になっている。
ICRCは4日、人員削減をできる限り少なくするよう努め、新規採用を停止し自然退職を優先すると述べた。
人員削減の詳細は明らかになっていないが、紛争地域への援助や国際人道法の推進など、中核的な業務に重点を置く計画だという。
ICRCでは現在、世界で約2万人の職員が活動している。
英語からの翻訳:大野瑠衣子
おすすめの記事
Parliamentary inquiry on Credit Suisse collapse blames mismanagement
このコンテンツが公開されたのは、
クレディ・スイスが経営危機に陥った責任を追究するスイス連邦議会の調査委員会は20日発表した報告書で、原因は長年にわたる経営上の不始末にあったと結論付けた。
もっと読む Parliamentary inquiry on Credit Suisse collapse blames mismanagement
おすすめの記事
世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
このコンテンツが公開されたのは、
スイス中部ベルナーオーバーラント地方のシュテッヘルベルクとミューレンの間に、世界一急勾配のケーブルカーが開業した。
もっと読む 世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
おすすめの記事
2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦議会は11日、カリン・ケラー・ズッター副大統領兼財務相(急進民主党、60歳)を新大統領に選出した。新副大統領にはギー・パルムラン経済・教育・研究相(国民党、65歳)が選ばれた。
もっと読む 2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
おすすめの記事
医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
このコンテンツが公開されたのは、
大手金融機関UBSが12日発表した調査「心配事バロメーター」によると、依然として医療費と健康保険料の高騰が最大の懸念事項だったことが分かった。環境と年金も懸念事項にあがっている。
もっと読む 医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
おすすめの記事
スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)が、留学生の授業料をスイス人学生の3倍に引き上げ、2025年秋学期から1学期当たり2190フランにすることを決めた。
もっと読む スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
おすすめの記事
世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの電力会社アクスポは5日、世界で最も古いベツナウ原子力発電所の稼働を2033年に終了すると発表した。33年までの運転継続にかかる追加事業費は3億5000万フラン(約600億円)を予定している。
もっと読む 世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
おすすめの記事
スイスのドライバー、2割が飲酒運転
このコンテンツが公開されたのは、
欧州など39カ国のドライバーを対象にした調査で、スイスでは2割超が飲酒運転をしたことがあると回答した。
もっと読む スイスのドライバー、2割が飲酒運転
おすすめの記事
狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
このコンテンツが公開されたのは、
先月29日午後、スイス西部ヴォー州で64歳の男性が狩猟中に死亡した。イノシシを撃とうとした 猟友会のメンバーに射たれた。
もっと読む 狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
おすすめの記事
自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
このコンテンツが公開されたのは、
今年9月にスイスで初めて使われた自殺カプセル「サルコ」について、連邦内閣は、当分の間、立法措置は必要ないとの見解を示した。サルコ運営団体は2日、身柄を拘束されていたフロリアン・ヴィレ代表が釈放されたと発表した。
もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
おすすめの記事
スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの金融誌ビランツがまとめた長者番付2024年版によると、スイス在住の富豪トップに輝いたのは、仏高級ブランド・シャネルのオーナー家族の1人、ジェラール・ヴェルテメール氏だった。上位の顔ぶれはほぼ前年と同じだが、香料メーカーのフィルメニッヒ(Firmenich)創業家が初のトップ10入りを果たした。
もっと読む スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
続きを読む
おすすめの記事
赤十字国際委員会に初の女性総裁、課題は山積み
このコンテンツが公開されたのは、
ミリヤナ・スポリアリッチ・エッゲー氏が赤十字国際委員会(ICRC)の初の女性トップとなる。世界の紛争がますます複雑化し、喫緊の課題が山積する中、国際人道支援組織の難しいかじとりを迫られる。
もっと読む 赤十字国際委員会に初の女性総裁、課題は山積み
おすすめの記事
赤十字国際委員会 コロナでリストラへ
このコンテンツが公開されたのは、
赤十字国際委員会(ICRC)は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による財政難を理由に95の役職を削減する。60人が影響を受ける見通しだ。
もっと読む 赤十字国際委員会 コロナでリストラへ
おすすめの記事
国連の援助機関が深刻な資金不足 支援ニーズの高まりで
このコンテンツが公開されたのは、
来年は人道支援ニーズが急増すると国連は予測する。だがニーズと提供資金との格差拡大に伴い、この未曽有の危機に取り組む支援団体の対応能力にも影響が出ている。
もっと読む 国連の援助機関が深刻な資金不足 支援ニーズの高まりで
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。