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スイス大統領の国連演説、「健康な国際経済は過激主義への対抗策」

演説の順番を待つヨハン・シュナイダー・アマン大統領 Keystone

スイスのヨハン・シュナイダー・アマン大統領は今月20日、ニューヨークで行われた国連総会の演説の中で、「経済の興隆は雇用の安定をもたらすため、過激主義やテロリズムを阻止する助けになる」と述べた。

アマン大統領の第一のメッセージは、「若年層を労働市場に取り込むこと」だった。「とにかく若者を助けることが重要だ。彼らの労働市場に対する展望がポジティブになることだ」。さらにアマン大統領はメンバー国に向けて、「そのためには各国での教育の充実と国際的競争力への認識を高めることが大切になる」と述べた。

 さらに、国連が直面している課題はとても大きく、アフリカなど近東での悲惨な状況を例に挙げ、「課題の規模を考慮するとこれまで以上に強い国連が必要とされる」と強調した。

 アマン大統領は、国連が果たしてきた役割にも言及し、高く評価した。「過去20年間で国連は世界中の貧困を半分に減らし、平均寿命を延ばすのに貢献した。また、国連の支援により世界中の教育水準は上がり、民間セクターや社会のグローバル・ガバナンスへの参与も増え続けている」

 そして、コロンビアとの和平協定にも触れ、「この和平協定は将来の希望の一つだ。署名された和平協定を保管する国としてスイスは、持続可能な平和への一歩を共にした関係者に祝意を表す」と述べた。(スイスはジュネーブ条約を始めとし、79の国際和平協定・条約を保管している)

国連安全保障理事会とスイス

 アマン大統領は、前年に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を国連の支柱とし、同アジェンダは政治と市民の間での新たな社会契約の基盤の一つだとも話した。

 「スイスは国連において仲介者、そして中立的なオブザーバーとしての役割を担う」と述べるアマン大統領は、分極化している今日の世界情勢を鑑みて、2023、24年の国連安全保障理事会の非常任理事国候補としてのスイスの立場を強調。「スイスは中立国であるため、国連安保理に参加する宿命を負っているのかもしれない」

 国連総会にはアマン大統領の他、ディディエ・ブルカルテール外相が出席した。出席の重点は、紛争防止による平和と安全だという。



(独語からの翻訳&編集・説田英香)

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