スイスの医薬品承認機関スイスメディック(Swissmedic)は、審査中の英アストラゼネカ製新型コロナウイルス感染症ワクチンについて、承認に十分な確固たる臨床試験データがまだそろっていないと語った。同ワクチンは、各国で血栓の発症例が報告されている。
このコンテンツが公開されたのは、
スイスメディックはこれまで米ファイザー/独ビオンテック製、米モデルナ製の2つのワクチンを承認済み。同機関のライムンド・ブルーヒン局長は18日、国内メディアCHグループに対し、これらのワクチンは多数が関与した研究から決定的な結果が得られたため承認に至ったが、アストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンはその限りではない、と語った。
ただ、同ワクチンの品質が劣悪だという意味ではないと述べ、「優れたワクチンであることを、会社側がまだ証明できていないと言っているだけだ」とした。
スイスメディックは最近、アストラゼネカから大量のデータを受け取り、現在審査中。製造元と定期的に連絡を取り合っているという。
英国などでは、アストラゼネカ製ワクチンの投与を約3カ月前に開始。ただ最近、接種後に血栓を発症するケースが報告されたことを受け、複数の国が接種を停止した。欧州医薬品庁(EMA)は、同ワクチンがもたらす利点はリスクを大幅に上回ると強調。血栓の症例調査に関するレポートを18日に出す予定だ。
スイスは、製造元5社に3500万回分超のコロナワクチンを発注。昨年末から国内でワクチン接種を開始した。これまでに人口の約4%が接種を受けたが、承認と供給の遅れにより、接種計画が思うように進んでいない。
おすすめの記事
11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアルプスで、季節外れの暖かさが続いている。スイスで最も標高の高い地点にあるユングフラウヨッホでは観測史上最高を記録した。
もっと読む 11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
おすすめの記事
スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで肉食をやめる人が増えている。植物性食品を推進するスイスベジ協会(Swissveg)は30日、スイスのベジタリアンやビーガンの数は過去5年間で約40%増加したと発表した。
もっと読む スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
おすすめの記事
スイスを縦断するツルが過去最多
このコンテンツが公開されたのは、
スイス鳥類研究所によると、スイスでは今季、はやくも過去最多のツルが観察されている。なかには約800羽の大規模な群れもみられた。
もっと読む スイスを縦断するツルが過去最多
おすすめの記事
「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州ルガーノの州刑事裁判所は23日、利己的な動機で他人の自殺を手助けしたとして、自殺教唆・ほう助の罪に問われた同州の元看護師の女(67)に条件付き罰金刑を言い渡した。
もっと読む 「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
おすすめの記事
スイス、外来診療の新料金体系で合意 定額制を一部導入
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの医療機関団体は22日、外来患者向けの新料金体系を承認したと発表した。エリザベット・ボーム・シュナイダー内務相は積年の議論に決着がついたことを歓迎した。
もっと読む スイス、外来診療の新料金体系で合意 定額制を一部導入
おすすめの記事
スイス製武器の再輸出解禁案まとまる 主要政党の賛否まとまらず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)安全保障委員会は、スイス製武器の再輸出の解禁案をまとめた。武器の輸出から5年経過を条件に、ウクライナなど紛争中の第三国への再輸出を認める内容だ。ただ主要政党の間では賛否が割れている。
もっと読む スイス製武器の再輸出解禁案まとまる 主要政党の賛否まとまらず
おすすめの記事
スイスで「ニュース離れ」さらに深刻に メディア品質年鑑
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ大学公共・社会研究センターが毎年まとめる「スイスメディア品質年鑑」2024年度版で、スイスでニュースを平均以下の量しか消費しない人の割合は46%と、過去最高を更新したことがわかった。スイスメディア全体の質は引き続き「良好」と評価された。
もっと読む スイスで「ニュース離れ」さらに深刻に メディア品質年鑑
おすすめの記事
アイスホッケーのスイス代表、国旗の白十字使用認められず
このコンテンツが公開されたのは、
アイスホッケーのスイス代表チームは、ユニフォームにスイスの国旗である白十字の紋章を付けることができなくなった。スイスアイスホッケー連盟(SIHF)が連邦行政裁判所に提出した申請が遅すぎたのが原因だ。
もっと読む アイスホッケーのスイス代表、国旗の白十字使用認められず
おすすめの記事
スイス、ロシアに追加制裁 輸出規制を強化
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は16日、ウクライナに侵攻するロシアへの追加制裁を発表した。ロシアの産業・軍事・技術に必要な製品の輸出規制が強化されるほか、政党、NGO団体、報道機関がロシア政府からの寄付を受け取ることが禁止される。
もっと読む スイス、ロシアに追加制裁 輸出規制を強化
おすすめの記事
チューリヒの一等地にパン屋開業 高級街に転機か
このコンテンツが公開されたのは、
高級ブランドが立ち並ぶチューリヒのバーンホフ通りにパン屋が開業し、大きな話題を呼んでいる。通りを象徴する百貨店の撤退や再開と合わせ、街の大きな転機になるとの指摘もある。
もっと読む チューリヒの一等地にパン屋開業 高級街に転機か
続きを読む
おすすめの記事
ロンザと米企業、点鼻スプレー式コロナワクチン製造で提携拡大
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのバイオ医薬大手ロンザは、米企業アルティミューン(Altimmune)が開発する点鼻スプレー式新型コロナウイルス感染症ワクチン候補「AdCOVID」の供給に、米テキサス州ヒューストン近郊にある同社工場の専用施設を割り当てると発表した。
もっと読む ロンザと米企業、点鼻スプレー式コロナワクチン製造で提携拡大
おすすめの記事
なぜ裕福な国スイスでワクチンが不足しているのか?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは今、16種類の主要ワクチンが在庫不足に陥っており、医師たちは対応に迫られている。世界で最も裕福な国の一つに数えられるスイスが陥ったワクチン在庫不足の原因、そしてこれまでの国の対策について探った。
もっと読む なぜ裕福な国スイスでワクチンが不足しているのか?
おすすめの記事
スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。
もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
おすすめの記事
スイス モデルナ製ワクチンの新製造工場を承認
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの医薬品承認機関スイスメディック(Swissmedic)は、米モデルナ製の新型コロナウイルス感染症ワクチン原薬を生産しているバイオ医薬大手ロンザに対し、新たな製造拠点の申請を承認した。
もっと読む スイス モデルナ製ワクチンの新製造工場を承認
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。