スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)の数学者アレッシオ・フィガリ教授(34)が、数学の分野で著しい業績を挙げた研究者に贈られるフィールズ賞を受賞した。
このコンテンツが公開されたのは、
フィールズ賞は数学のノーベル賞とも呼ばれる。
同大によると、1日にブラジル・リオデジャネイロで開催された国際数学者会議(ICM)外部リンクで賞が授与された。
賞を主催する国際数学連合(IMU)外部リンクはフィガリ氏が、ある確率測度を別の確率速度へと輸送する最適な方法を調べる「最適輸送理論」とその偏微分方程式、計量幾何学および確率への応用において多大な貢献をしたと述べた。この分野は20年以上、誰も解明できなかった問題だった。
フィガリ氏は「多くの数学者を長年悩ませてきた事象を誰よりも早く証明でき嬉しく思う。若く才能のある人たちに、数学がいかにクリエイティブで楽しいものかを知ってもらいたい」と喜びを語った。
今年のフィールズ賞はフィガリ氏のほか、米国、英国、ドイツの3人の数学者が受賞した。
フィガリ氏はイタリア・ローマ出身。2007年、ピサ高等師範学校(イタリア)・リヨン高等師範学校(フランス)で数学の博士号を取得後、2011年から米テキサス大学オースティン校の教授を務めた。2016年から現職。
フィールド賞は4年ごとに授与される。スイスではこれまで、ETHのヴェンデリン・ヴェルナー氏(2006年)、ジュネーブ大学のスタニスラス・スミルノフ氏(2010年)らが受賞している。
おすすめの記事
氷河の融解でスイスとイタリアの国境に変化
このコンテンツが公開されたのは、
スイスはイタリアとフランスとの国境を変更した。イタリアとの国境は氷河の融解、フランスとの国境はジュネーブ地方の新しい路面電車と河川にそれぞれ関連している。
もっと読む 氷河の融解でスイスとイタリアの国境に変化
おすすめの記事
スイス中央銀行、0.25%の利下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は26日、政策金利を0.25%引き下げ、1%にすると発表した。
もっと読む スイス中央銀行、0.25%の利下げ
おすすめの記事
ムーティエのジュラ州編入 住民投票でも可決
このコンテンツが公開されたのは、
人口7200人の州境の町ムーティエが2026年1月1日にベルン州からジュラ州に編入する協定が、22日の両州の住民投票で可決された。
もっと読む ムーティエのジュラ州編入 住民投票でも可決
おすすめの記事
チューリヒ市の有権者、CO2回収プロジェクトを支持
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ市の有権者は22日の住民投票で、市内の下水処理場における革新的なCO2回収プロジェクトを承認した。
もっと読む チューリヒ市の有権者、CO2回収プロジェクトを支持
おすすめの記事
広島被爆の三輪車レプリカ、ジュネーブで展示
このコンテンツが公開されたのは、
1945年8月6日、広島への原爆投下で被爆し死亡した子どもが乗っていた三輪車のブロンズ製レプリカが、ジュネーブの国際赤十字博物館に展示されている。
もっと読む 広島被爆の三輪車レプリカ、ジュネーブで展示
おすすめの記事
スイスの人口が900万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
連邦統計局(FSO)が19日に発表した2024年6月末のスイスの永住人口は900万2763人で、初めて900万人を突破したことがわかった。
もっと読む スイスの人口が900万人を突破
おすすめの記事
苦境のスイス時計業界 政策支援を要請
このコンテンツが公開されたのは、
スイス時計産業は難局を迎えた。スイス製時計への需要が緩み、フラン高が収益を圧迫する。業界は警鐘を鳴らしている。
もっと読む 苦境のスイス時計業界 政策支援を要請
おすすめの記事
重度障がい3歳女児を殺害した両親に禁錮8年判決 スイス
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北部アールガウ州で、重度の障がいを持つ娘(3)を殺害したとして、地方裁判所は13日、両親を故意の殺人罪・殺人未遂罪でそれぞれ禁錮8年の実刑判決を言い渡した。
もっと読む 重度障がい3歳女児を殺害した両親に禁錮8年判決 スイス
おすすめの記事
キリスト絵画を的に射撃したスイス議員、辞職
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの自由緑の党(GPL/PVL)チューリヒ支部に所属するサニヤ・アメティ氏(32)は9日、党の役職を辞すると発表した。自身のインスタグラムでキリストと聖母マリアを描いた絵画を的に射撃の練習をする写真を投稿し、大きな批判を浴びていた。
もっと読む キリスト絵画を的に射撃したスイス議員、辞職
おすすめの記事
スイス検察、国民投票の不正疑惑を捜査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス検察当局は、国民投票の提起に必要な署名が偽造されたとの疑惑を捜査している。収集代行業者が過去の署名を使い回したり、金銭を見返りに署名を集めた可能性がある。
もっと読む スイス検察、国民投票の不正疑惑を捜査
続きを読む
おすすめの記事
スイスの研究者 災害救助のための感知センサーを開発
このコンテンツが公開されたのは、
連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は16日、センサーで生き埋めになった人を見つけ出す電子装置を開発したと発表した。人間のにおいを感知する極小のセンサーで、従来のガスセンサーに比べてコストが安いのが特徴。地震や雪崩が起こった際の捜索・救助活動に役立つという。
もっと読む スイスの研究者 災害救助のための感知センサーを開発
おすすめの記事
ヨハン・シュナイダー・アマン経済相、来年末で閣僚引退へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのヨハン・シュナイダー・アマン経済・教育・研究相(66)が独語圏の日刊紙NZZのインタビューで、2019年末の任期満了に伴い閣僚の座を退く意向を示した。
もっと読む ヨハン・シュナイダー・アマン経済相、来年末で閣僚引退へ
おすすめの記事
スイス連邦工科大学、1.5兆円の経済効果
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学(ETH)は2016年、関係機関全体で10万人分の雇用を生み、130億フラン(約1.5兆円)の経済効果を生んだとする調査結果を、英国の経済コンサルティング会社ビガー・エコノミクスが出した。年間予算の4倍の利益を生んでいる計算だ。
もっと読む スイス連邦工科大学、1.5兆円の経済効果
おすすめの記事
同僚・学生が女性教授を擁護「学生のためを思っての厳しさ」
このコンテンツが公開されたのは、
連邦工科大学チューリヒ校で女性教授が博士課程の学生に嫌がらせをしていたとされる問題で、一部の同僚教授らが女性教授を擁護する公開状を発表していたことがわかった。
もっと読む 同僚・学生が女性教授を擁護「学生のためを思っての厳しさ」
おすすめの記事
連邦工科大の教授がアカハラ?「教授の圧力」に疑問符
このコンテンツが公開されたのは、
連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)の女性教授からアカデミック・ハラスメントを受けていたとして、複数の学生が大学側に申し出ていたことが分かった。ドイツ語圏の日刊紙NZZの日曜版が22日、報じた。
もっと読む 連邦工科大の教授がアカハラ?「教授の圧力」に疑問符
おすすめの記事
チューリヒで学生起業家クラブが街頭実験
このコンテンツが公開されたのは、
3チーム、4日間、3立方体。スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)の起業家クラブが週末、チューリヒのあちこちである実験をした。
もっと読む チューリヒで学生起業家クラブが街頭実験
おすすめの記事
スイスの連邦工科大学、海外に拠点を広げる
このコンテンツが公開されたのは、
この展開の背景には、関係政府からの資金援助とアメリカ、日本、中国などの有名な研究機関がすでにその地に存在するという好立地条件がある。 スイスのアラン・ベルセ内務相は今月初め、「グローバルな環境持続」研究を目指しシンガポ…
もっと読む スイスの連邦工科大学、海外に拠点を広げる
おすすめの記事
音を吸収する、軽いカーテンが誕生
このコンテンツが公開されたのは、
デザイナーのアネッテ・ダグラス氏 ( 40歳 ) がデザインしたカーテンは3種類。一見どこの家にもありそうな普通のカーテンだが、実は防火性のあるポリエステルでできており、よく見ると細かく織られているのがわかる。 カーテン…
もっと読む 音を吸収する、軽いカーテンが誕生
おすすめの記事
ノーベル賞ブームに乗るスイス
このコンテンツが公開されたのは、
スイス人のノーベル賞受賞については、8月1日の建国記念日の演説でよくテーマになり、スイス連邦政府の政策により、国際貿易を奨励するスイス貿易振興会 ( Osec ) も、海外の企業や人材をスイスに誘致する際の宣伝に利用して…
もっと読む ノーベル賞ブームに乗るスイス
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。