チューリヒ州景観・自然局は25日、チューリヒ空港のあるクローテン市で、害虫マメコガネの繁殖を確認したと発表した。日本原産で「ジャパニーズ・ビートル」と呼ばれるこの外来種がアルプス以北で発見されたのは初めてだという。
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発表外部リンクによると、今月中旬に全国的モニタリングの一環で敷いた罠に4匹のマメコガネが発見された。これを受けて罠を増やしたところ、マメコガネが小集団を築いていることが確認された。
すでに根絶対策を講じているが、専門家は、スイス北部や近隣諸国へのマメコガネ蔓延を防ぐのは時間との勝負だと警鐘を鳴らす。
クローテン市内では9月末まで、マメコガネのメスが濡れた土に産卵するのを防ぐため、住宅の芝生や植生への水やりが禁止される。
バラや果樹、ベリーの低木など、マメコガネの宿主となる植物には殺虫剤を散布する。有機廃棄物や堆肥、根を張った植物や土壌はクローテンから搬出できなくなる。
マメコガネ(Popillia japonica)は体長1センチメートルほどで、体側の5つの白い斑点が特徴だ。このため素人でも比較的簡単に見分けることができる。
当局は生物学的分析を進め、増殖の発生源を突き止める。
専門家らは、マメコガネがチューリヒ空港を経由して到着した可能性もあるが、スイス南部のティチーノ州南部かイタリア北部から陸路で運ばれた可能性の方が高いとしている。ティチーノ州では2017年にマメコガネの生息が確認された。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
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