スイスの電動飛行機ソーラー・インパルス2は11日、米ニューヨークに着陸。太陽光エネルギーだけで世界一周飛行を目指す旅程の、アメリカ横断区間を無事完了した。次の目的地は、フランス、スペイン、モロッコのいずれかになりそうだ。
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ソーラー・インパルス2は米ペンシルバニア州リーハイ・バレー空港を10日午後11時18分(現地時間)に離陸。アンドレ・ボルシュベルクさんの操縦で、ニューヨークのシンボルである「自由の女神」付近を飛行し、離陸から5時間後にニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に着陸した。
アメリカ横断を完了したソーラー・インパルス2の次なる挑戦は、3~4日間にわたる大西洋横断飛行だ。次の目的地の第一候補はスペイン・セビリア、続いてフランス・トゥールーズだが、パリやモロッコの首都ラバトも候補地に挙がっている。最終的には天候条件により決定されるという。
ソーラー・インパルス・プロジェクト外部リンクのディレクター、レイモンド・クラークさんによると、天候が回復するまで機体は少なくとも3~4日間、現地に留まる。今週の金曜か土曜には出発できると期待しているが、天候によっては数週間待機する可能性もあるという。
(英語からの翻訳&編集・由比かおり)
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ソーラー・インパルス 最悪の事態に備えたパイロット訓練
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世界一周飛行に挑戦中の電動飛行機ソーラー・インパルス2。中国からハワイまでの区間を飛行中、太平洋上の気象条件が悪化したため、急きょ名古屋の県営名古屋空港(小牧空港)に着陸し、現在は日本で天候が回復するまで待機している。今後待ち受けるのは、最大の難所と言われる太平洋および大西洋の横断だ。そこで起こりうる最悪の事態を想定したパイロット訓練とは、一体どのようなものなのか。(SRF/swissinfo.ch)
ソーラー・インパルス・プロジェクトは、太陽エネルギーを主に再生可能エネルギーの普及促進をサポートするために立ち上げられた。中国の重慶市と南京市に途中着陸したのは、世界でも最も人口の多い中国で、太陽エネルギーのプロジェクトに対する意識を高める狙いがあったからだ。
この世界一周飛行は2015年3月9日、アブダビでスタートした。太陽エネルギーだけを動力とするこの飛行機は四つの大陸と二つの海を横断し、およそ500時間を掛け、3万5千キロの距離を飛行する。
その中でも極めて危険だといわれているのが、太平洋と大西洋の横断飛行だ。
そのためパイロットであるアンドレ・ボシュベルクさんとベルトラン・ピカールさんの二人は、太平洋上でコントロールを失うという最悪の事態を想定した訓練を出発前に行った。
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ソーラー・インパルス2 飛行中の食事や睡眠はどうする?
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太陽光だけで飛ぶスイス製電動飛行機「ソーラー・インパルス2」。現在はインド・アーメダバードで待機中だ。本来なら今日、次の目的地インド・バラナシへ飛び立つ予定だったが、濃い霧のため出発を延期した。先週9日アブダビ空港から始まった世界一周の旅はこのように天候次第。だが、踏破する総飛行距離は3万5千キロ。これを500時間かけて飛び8月、アブダビに再び戻ってくる予定だ。(SRF/swissinfo.ch)
この前人未到の挑戦は、12年かけた研究・開発で周到に準備された。その結果、2.3トンの機体に太陽電池パネル1万7千枚を載せた高性能の飛行機が誕生した。出発前のインタビューで、パイロットの1人、アンドレ・ボルシュベルクさんは「機能的に、機体はほぼ完ぺきな状態だ。これからはパイロットの体力的・精神的なチャレンジになる」と語っている。
中でも最大のチャレンジは、太平洋および大西洋の横断になる。120時間、つまり昼夜問わず5日間をノンストップで飛行しなければならない。その間、食事はどうするのか?そしてトイレは?操縦室は1人のパイロットしか入れない超小型。自動操縦に任せて仮眠を取りながら飛行するとはいえ、問題が起きれば直ちに手動に切り替える。それはいつ起こるかわからない。
ではどのように休息・仮眠を取るのか?スイステレビの記者が、操縦席に座るもう1人のパイロット、ベルトラン・ピカールさんにインタビューした。
なお、ソーラー・インパルス2はアブダビを3月9日に離陸した後、オマーンの首都マスカットでパイロットをボルシュベルクさんからピカールさんに替え10日の23時25分、インド・アーメダバードに着陸した。この1465キロメートルの飛行は、電動飛行機が飛んだ距離としては世界初で、国際航空連盟(FAI)に登録される予定だ。
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