「数学のノーベル賞」と呼ばれるフィールズ賞の受賞者に、スイスの研究者2人が選ばれた。球充填(じゅうてん)問題と相転移に関する理論における多大な貢献が評価された。
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スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のマリーナ・ビャゾウスカ教授(37、整数論)とジュネーブ大学のユーゴ・デュミニル・コパン氏(36、物理)が受賞した。
国際数学連合(IMU)は5日、ヘルシンキで開催された国際数学者会議で授与式を行った。フィールズ賞は1936年に設けられた賞で、4年に1度、数学の分野で著しい業績を挙げた研究者に贈られる。40歳未満の若手数学者が対象で、4人の受賞者にはそれぞれ1万5千カナダドル(約150万円)が贈られる。
ビャゾウスカ氏はウクライナ・キーウ出身。IMUによると、球充填問題を解決したことや、「フーリエ解析に関連する極限値問題および補間問題へのさらなる貢献」が評価された。女性の受賞は史上2人目。
デュミニル・コパン氏はフランス出身。「統計物理学における相転移の確率論で、長年の問題を解決した」ことが評価された。フランスの物理学者は、同氏は相転移(液体の水が氷に変わるときなど、物質の性質の変化)を分析するために確率論の考え方を用いた。
今年のフィールズ賞はビャゾウスカ氏とデュミニル・コパン氏のほか、米プリンストン大学の韓国系アメリカ人数学者と英オックスフォード大学の英国人数学者が受賞した。
英語からの翻訳:大野瑠衣子
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