The Swiss voice in the world since 1935

スイスで初のコロナワクチン使用を承認

Four glass vials
米ファイザー・独ビオンテックは、スイス政府が予約注文したワクチンメーカーの1つ。スイスでは重症化リスクが高い人を優先的に今月から接種を開始する。全国では来年1月4日開始を予定 Tampa Bay Times

スイス連邦政府は19日、医薬品承認機関Swissmedicが米製薬大手ファイザー・独ビオンテック開発の新型コロナウイルスワクチン使用を承認したと発表した。2回の接種が必要で、90%を超える効果があるという。

ワクチンの名称は「Comirnaty® (BNT162b2)」で、ファイザー・ビオンテックが10月中旬に承認申請していた。Swissmedicは利用可能な臨床試験データに基づき、試験を実施したすべての年齢層において同程度に高いレベルの有効性があると判断した。

連邦政府の公式予防接種勧告に従うことを条件に、16歳以上であれば誰でも受けられる。Swissmedicは少なくとも21日以上の間隔をあけて2回接種することを推奨している。

Comirnaty® はメッセンジャーRNA(mRNA)型のワクチン。迅速な評価が可能なローリングレビューが行われた。同ワクチンは英国、カナダ、米国などで既に承認されている。

>>米ファイザー、スイスで新型コロナワクチン承認申請

スイスは、米ファイザー・独ビオンテックのほか、米モデルナ、アストラゼネカとそれぞれ契約を結んでいる。当局の承認が下りれば、3つのワクチンメーカーから1580万回分の供給を確保できる。Swissmedicは現在、ヤンセン・シラグ社のワクチンを審査中。

今月から接種

連邦政府はファイザー・ビオンテックに約300万回分のワクチンを発注した。連邦内務省保健庁は19日、最初の10万7千回分は数日以内に到着すると公表した。

ワクチンは軍医薬品局が摂氏マイナス70度で超低温保管し、その後各州に配布する。州ではワクチンを冷蔵庫で最大5日間保管できる。

ルツェルン州は23日から重症化リスクの高い65歳以上を対象に接種を開始する。バーゼル市は28日に開始する。全国的なワクチン接種は1月4日から始まる予定。

接種場所や人員配置は州の管轄となる。実施場所は医療施設や体育館、軍の施設などが挙げられる。連邦政府は、高齢者や糖尿病、慢性肺疾患、高血圧患者など重症化リスクが高いグループ(推定200万人)を優先すべきだとしている。

次に優先されるのは医療従事者や高リスクグループの親族だ。政府は一般への広範な接種が可能になるのは2021年春ごろとの見通しを示した。

スイスでは6千人以上(人口850万人)が新型コロナウイルス感染症で死亡した。感染者は40万人を超える。

スイスの調査会社Marketagent.comが今月4~14日、独・仏語圏の1千人(14~74歳)を対象に行った調査によると、ワクチンをできるだけ早く受けたいと答えた人は全体の35%にとどまった。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

部分日食

おすすめの記事

スイスで29日に部分日食

このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは29日に部分日食が観測される見込み。午前11時20分頃に月が太陽の前に重なり始める。

もっと読む スイスで29日に部分日食
チベットの旗とスイスの旗を掲げる亡命チベット人家族と子ども

おすすめの記事

ベルン大、チベット語コースの募集停止

このコンテンツが公開されたのは、 ベルン大学は、2025年度秋学期からチベット語コースの学生募集を停止する。同大はチベット語が学べる唯一のスイスの大学だった。

もっと読む ベルン大、チベット語コースの募集停止
UBSの看板

おすすめの記事

UBS、スイスからの本社移転を検討か 一部報道

このコンテンツが公開されたのは、 スイス政府が検討している国内銀行の規制強化案が実現すれば、UBSはスイスからの本社移転を検討すると、米ブルームバーグ通信が20日報じた。

もっと読む UBS、スイスからの本社移転を検討か 一部報道
スイス中央銀行

おすすめの記事

スイス中銀、フランの買い手から売り手に転じる 2024年報告書

このコンテンツが公開されたのは、 スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が18日発表した年次報告書によると、2024年はフランの「買い手」から「売り手」に転じた。インフレ圧力が緩み、フラン安を食い止める必要性が薄れた。

もっと読む スイス中銀、フランの買い手から売り手に転じる 2024年報告書
両手を前に出して会見で説明するスーツ姿の閣僚

おすすめの記事

世界の特許出願、中国が首位 日本3位、スイス8位

このコンテンツが公開されたのは、 世界知的所有権機関は17日、昨年の国際特許出願件数の統計を公表した。国別では中国が出願件数の4分の1以上を占め首位を維持し、米国と日本が続いた。スイスは8位だった。

もっと読む 世界の特許出願、中国が首位 日本3位、スイス8位
マルティン・フィスター氏

おすすめの記事

スイスの新国防相にフィスター氏

このコンテンツが公開されたのは、 スイス政府の新大臣に選出されたマルティン・フィスター氏は、4月1日から連邦国防・国民保護・スポーツ省のトップに就任する。

もっと読む スイスの新国防相にフィスター氏
マルティン・フィスター

おすすめの記事

マルティン・フィスター氏が新閣僚に当選

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦議会は12日、今月末で辞任するヴィオラ・アムヘルト国防相の後任として、ドイツ語圏ツーク州出身のマルティン・フィスター氏(中央党、61歳)を選出した。

もっと読む マルティン・フィスター氏が新閣僚に当選

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部