ソーラー・インパルス2 名古屋からハワイに到着
電動飛行機ソーラー・インパルス2は3日、目的地のハワイに到着した。名古屋を出発してからほぼ5日間、ノンストップで太平洋を横断し、電動飛行機の飛行最長距離および飛行最長時間の記録を塗り替えた。
操縦士アンドレ・ボルシュベルクさんを乗せたソーラー・インパルス2は、現地時間の朝5時55分(スイス時間17時55分)、ホノルル郊外のカラエロア空港に到着した。太陽光のみを動力源に、120時間以上を飛行。同機は飛行距離・飛行時間ともに世界最高記録を打ち出した。
HE MADE IT! @andreborschberg外部リンク just touched down in #Hawaii外部リンク after a record-breaking flight! #futureisclean外部リンク @b外部リンク… https://t.co/WQWsRKiCEi外部リンク
— SOLAR IMPULSE (@solarimpulse) July 3, 2015外部リンク
拍手喝采のなか、ボルシュベルクさんがコックピットのドアから出てきた。笑顔だった。ひげをそったばかりの彼はハワイの伝統的なレイを首にかけ、「喜びで胸がいっぱいだ」と語った。
現地ではチームの同僚やパートナー企業、そしてもう一人の操縦士ベルトラン・ピカールさんがボルシュベルクさんを迎えた。ソーラー・インパルス2は一人乗り用のため、今回の世界一周の旅はこの二人が交代で操縦する。
So great to finally be in Hawaii with @bertrandpiccard外部リンク and @solarimpulse外部リンク! pic.twitter.com/WNjHitbzCC外部リンク
— André Borschberg (@andreborschberg) July 3, 2015外部リンク
ボルシュベルクさんは、「自分でも驚いたが、あまり疲れを感じていない」と語る。その理由は、周りの人たちからの支援があったからだという。これからシャワーを浴び、現地の関係者たちと会う予定にしている。
名古屋からハワイまでの区間は非常にリスクが高いものだった。緊急事態が発生しても途中で着陸する場所がなかったからだ。また、この区間は操縦士にとって体力的にも過酷だった。コックピットには暖房も気圧調節もなく、ボルシュベルクさんは自動操縦の間のわずか20分間しか休憩が取れなかった。
日本での遅れ
ソーラー・インパルス2は緊急着陸した日本で、およそ1カ月間、理想的な天候が訪れるまで待機した。6月28日に名古屋からハワイに向けて出発したが、「もう日本には戻れない地点」に到達するまで、チームは同機が離陸したことを発表しなかった。その地点に同機が達したのは、出発から約12時間後のことだった。
次の区間となるホノルルから米フェニックスまでは、気球でノンストップの世界一周を初めて成し遂げたピカールさんが担当する。ソーラー・インパルス2はその後、あと4区間を飛び、出発地のアブダビに戻ることになっている。
「太陽光のみで動く電動飛行機が、ジェット機よりも長い距離を飛ぶなんて想像できるかい?」とピカールさんは話す。「(ソーラー・インパルス2は)クリーンテクノロジーが、不可能を可能にできることを明確に示しているのだ!」
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