太陽系に似ているとされる「トラピスト1」の7つの惑星は、岩石から成り地球よりも多くの水が存在する可能性があることが、ベルン大学が率いる国際チームの研究でわかった。7惑星の1つ「トラピスト1e」は、これまでに発見されたどの惑星よりも地球に似ていることも明らかになった。この発見で、地球外生命体が存在する可能性が高まった。
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「トラピスト1e」は恒星「トラピスト1」の周りにある7つの惑星の1つ。大きさと密度、トラピスト1から受ける放射線量の点で地球に最も似ていると、ベルン大学が5日、同大ホームページで発表外部リンクした。特に密度は7つある惑星のうち唯一地球よりも高く、惑星の表面に液体の水が存在する可能性がある。同研究に関する論文は国際天体物理学分野論文誌「Astronomy & Astrophysics」に掲載された。
研究結果によると、少なくとも5つの惑星には大気や海、もしくは氷層として揮発性物質を覆うものが存在する。またいくつかの惑星にあると考えられる水は全体の質量の5%(地球の250倍)に上る可能性がある。
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研究チームは惑星の大きさ、質量、放射線照射の観点から7つの惑星を調査した。不確実性は10%以下。共同著者のブリス・オリビエ・ドゥモリ教授は、「惑星に存在するかもしれない生命の特徴を明らかにする確実な最初のステップ」だと胸を張った。同研究では、惑星の質量を35のパラメーターで測定する新しいアルゴリズムを開発した。
米航空宇宙局(NASA)は2017年2月、地球から約39光年(1光年=約9兆4600億キロメートル)離れた「赤色矮星」と呼ばれる小さな恒星「トラピスト1」の周りに7つの惑星を発見したと発表。赤外線をとらえるNASAのスピッツァー宇宙望遠鏡や地球上にある天文台の望遠鏡などで観測した。地球外生命体の存在の可能性を巡っては見解が分かれている。
惑星に関する情報を集約したサイトExoplanet.eu外部リンクによると、2018年2月1日の時点で、2794の惑星系で3728個の惑星が確認されている。
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