スウェーデン王立科学アカデミーは8日、今年のノーベル物理学賞に、宇宙の謎の解明に大きく貢献したスイス人科学者のミシェル・マイヨール、ディディエ・ケロー両氏ら3人を選んだと発表した。
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ジュネーブ大のマイヨール名誉教授、ケロー教授は「太陽類似の恒星を周回する太陽系外惑星の発見」の功績が評価され受賞。ほかに米プリンストン大学の名誉教授でカナダ系米国人のジェームズ・ピーブルス氏が受賞した。
同アカデミーは「ジェームズ・ピーブルス氏は、ビッグ・バン後の宇宙がどう進化したかを理解するのに貢献し、ミシェル・マイヨール氏とディディエ・ケロー氏は地球に近い未知の惑星を探索した」と3人の功績を称えた。
「彼らの発見は、世界に対する私たちの認識をがらりと変えた」
1995年10月6日、マイヨール氏とケロー氏は地球から42光年離れた星の周りを公転する太陽系外惑星「ペガスス座51番星b(51 Pegasi b)」を世界で初めて発見したと発表した。
この発見から数十年でさらに千個以上の太陽系外惑星が発見され、天文学発展のきっかけとなった。マイヨール、ケロー両氏も調査を続け、最初の発見から12年後には、赤色矮星グリーゼ581cの周りを回る地球に似た惑星グリーゼ581cも発見した。
天文学で最も大きな謎は、地球以外に生命体がいるかどうかだ。マイヨール氏は10年前のスイスインフォのインタビューで、「科学者として、私はその質問に答えられないと感じている」と語っていた。
スイスは2017年にローザンヌ大のジャック・デュボシェ名誉教授がノーベル化学賞を受賞。物理学賞の賞金は900万スウェーデンクローナ(約1億円)。賞金の半分はピーブルス氏に贈られ、残りの半分をマイヨール氏とケロー氏で分ける。
マイヨール氏は2015年に京都賞も受賞している。
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