ジュネーブとバーゼルの大学病院が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者と濃厚接触した人に対し、感染予防効果が期待される2つの医薬品を投与する臨床試験を始めた。
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スイス熱帯・公衆衛生研究所(TPH)が23日発表外部リンクした。スイスを含む多くの国でロックダウン(都市封鎖)の緩和に向かう中、新たなウイルスの流行を監視し、封じ込めるのに役立つという。
ウイルスにさらされた人に予防的治療を行うことは「暴露後の化学的予防」と呼ばれ、ウイルスの拡散を初期段階で遅らせる、または封じ込めるのに実用的な方法と考えられている。
プロジェクトを率いるジュネーブ大学病院のアレクサンドラ・カルミ―氏は「濃厚接触した人を病気から守ることは、その人にとって望ましいだけでなく、革新的な公衆衛生アプローチの証明にもつながる」と話す。
現在は第3相試験(臨床試験の最終段階)に入っている。研究には、新たにCOVID-19と診断された患者と濃厚接触した人400人が参加。これらの集団をランダムに3つのグループに分けて試験を行う。
臨床試験で使われる薬の1つは抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンだ。この薬は公衆衛生の専門家や政治家らの間で、COVID-19の治療薬として効果が期待されている。
ノバルティスのジェネリック医薬品(後発医薬品)事業部門サンドは、この医薬品の最大の製造元の1つ。ノバルティスはスイス国内の病院にこの薬を寄付した。
2番目のグループには、抗HIV薬のロピナビル・リトナビルを投与する。 3番目のグループには何も投与しない。3週間後、感染の有無を調べる。
バーゼル大学病院の上級医師ニクラウス・ラブハルト氏は「2つの転用薬のどちらか、または両方が有効だと分かれば、新たな症例が出た時に迅速に対応できる。第2、第3のパンデミックが起こった時も、急速な拡大を抑制できる」と期待を込める。
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