スイスの医薬品認可機関「スイスメディック(Swissmedic)」は先月30日、メッセンジャーRNA(mRNA)をベースとした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種と不妊の関連性は、調査の結果見られなかったと発表した外部リンク。ワクチンよりもコロナ感染の方が影響を及ぼす可能性があるという。
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スイスメディックは10カ国の関連機関の協力を得て、不妊とコロナワクチンの関連性を調べた。対象人口は計約8億人、COVID-19ワクチンの接種率がスイスよりも高い国もあった。
その結果、「COVID-19ワクチン接種と出生数減少の因果関係を示す統計的証拠は見られなかった」とした。また「ワクチンがヒトの生殖能力を損なう可能性があるという科学的指標もなかった」という。
調査では米国、英国、日本、スウェーデン、ドイツ、スペインを含む10カ国のデータが用いられた。パンデミック期間中に出生率が低下した国も一部あったが、ワクチン接種開始前だった。
スウェーデンやドイツ語圏の国々では、出生率が2021年に上昇した後、今年初めに急激に低下。ただ、ワクチン接種の影響が明らかになるまで、夫婦が子どもを持つことを先延ばしにした可能性もあるという。
スイスメディックは、出生率の動向が国によって大きく異なるため具体的な結論を導き出すのは不可能だと指摘。だがコロナウイルスに感染した男性の生殖能力に関する分析では、より決定的な結果が得られたとした。
スイスメディックは「一部の男性で精子生産量の減少や勃起不全、テストステロン欠乏症が示された。感染後の妊娠成功率が急速に低下したケースも一部あった。これらの男性の生殖能力が感染していない男性と同じレベルに達するまでに、少なくとも60日かかった」とした。
同機関は21年、妊娠中のCOVID-19感染は流産のリスクが高まるとして、妊婦にワクチン接種を受けるよう推奨していた。
英語からの翻訳:シュミット一恵
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