太陽光エネルギーだけで世界一周を目指すスイスの電動飛行機ソーラー・インパルス2が日本時間の29日未明、全航程中の最難関といわれる太平洋横断に向け再出発した。同機は、天候不良のため6月1日に県営名古屋空港に着陸し、待機中だった。
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ソーラー・インパルス2は離陸から12時間後、もはや後戻りのできない地点を通過したと発表した。例え天候不良になっても再びアジアへ引き返すことはできず、飛行をそのまま続けるか、最悪の場合は太平洋上に不時着するしかないということだ。
ソーラー・インパルス2は5月31日に、ハワイに向けて中国・南京を出発したが、ボルシュベルクさんの言葉を借りれば、太平洋上に「雲の壁」がかかったためその1日後、名古屋空港に緊急着陸した。それから再出発のチャンスをうかがっていたが、天候が回復せず出発は何度も延期された。先週は、両翼に1万7千枚のソーラーパネルをつけた同機が滑走路で離陸態勢に入っていたにも関わらず、直前に出発を断念せざるを得なかった。
ソーラー・インパルス2は今年3月、アラブ首長国連邦アブダビを出発し、世界一周3万5千キロメートルの旅に出た。旅程の12区間を、飛行日数にして25日、時速50~100キロメートルで飛行する予定だった。
自家用車ほどの重さしかない同機だが、ジャンボジェット機並みの翼幅を持つ。研究、設計、製造には12年の歳月が費やされ、同機の最初のモデルは2009年の試験飛行で、ソーラー機による高度と飛行距離の新記録を樹立した。
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ソーラー・インパルス2、ハワイへの出発を延期
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すべての準備が整っていた。出発を中継するライブの映像によると、24日午前2時ごろコックピットに入った操縦士のアンドレ・ボルシュベルクさんは目をつぶって休憩を取り、その飛行機を5、6人のスタッフが滑走路まで押していった。…
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ソーラー・インパルス2、「うれしい驚き」になった名古屋着陸
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電動飛行機ソーラー・インパルス2が、名古屋に着陸してはや10日。高い関心を呼び、多くの人々が県営名古屋空港を訪れた。ソーラー・インパルスチームの1人、エルケ・ノイマンさんに、名古屋での様子を聞いた。
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ソーラー・インパルス 最悪の事態に備えたパイロット訓練
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世界一周飛行に挑戦中の電動飛行機ソーラー・インパルス2。中国からハワイまでの区間を飛行中、太平洋上の気象条件が悪化したため、急きょ名古屋の県営名古屋空港(小牧空港)に着陸し、現在は日本で天候が回復するまで待機している。今後待ち受けるのは、最大の難所と言われる太平洋および大西洋の横断だ。そこで起こりうる最悪の事態を想定したパイロット訓練とは、一体どのようなものなのか。(SRF/swissinfo.ch)
ソーラー・インパルス・プロジェクトは、太陽エネルギーを主に再生可能エネルギーの普及促進をサポートするために立ち上げられた。中国の重慶市と南京市に途中着陸したのは、世界でも最も人口の多い中国で、太陽エネルギーのプロジェクトに対する意識を高める狙いがあったからだ。
この世界一周飛行は2015年3月9日、アブダビでスタートした。太陽エネルギーだけを動力とするこの飛行機は四つの大陸と二つの海を横断し、およそ500時間を掛け、3万5千キロの距離を飛行する。
その中でも極めて危険だといわれているのが、太平洋と大西洋の横断飛行だ。
そのためパイロットであるアンドレ・ボシュベルクさんとベルトラン・ピカールさんの二人は、太平洋上でコントロールを失うという最悪の事態を想定した訓練を出発前に行った。
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