超高速輸送システム「ハイパーループ」の欧州初の試験場所として、スイス南部ヴァレー(ヴァリス)州コロンベイ・ミュラにある工業地区が選ばれた。来年後半に着工する予定。
このコンテンツが公開されたのは、
ユーロチューブ外部リンクは13日、スイス連邦鉄道(SBB)と提携してヴァレー州に高速真空輸送のテストを行うための全長3キロの試験走行路を建設すると発表した外部リンク。
実験段階のハイパーループ高速輸送システムは、乗客を乗せた「ポッド」と呼ばれるカプセルを磁気で浮かせて真空管の中を「音速で」移動できるようになる。連邦鉄道によれば、ハイパーループは最大時速1100キロで走行するように設計されているが、「コロンベイ・ミュラの試験走行路は最大時速900キロまで」と述べた。
コロンベイ・ミュラが選ばれた理由として、非常に平坦な地形で、障害物がほとんどない点を挙げた。
試験走行路が「今後の大容量輸送システムの構築と運用に重要な視点」を与えてくれるものと連邦鉄道は期待する。
ハイパーループの試験走行路は欧州では初めてだが、世界の他の地域には既にいくつか建設されている。米国では、ペイパルやテスラ外部リンク、そしてスペースX外部リンクを創業した実業家イーロン・マスク氏がハイパーループコンテスト外部リンクを開始し、輸送システムの革命を目指す。2015年に始まった同コンテストはカリフォルニア州で開催され、今夏の第3回コンテストではスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のチームが「EPFループ」で3位に輝いた。
スイスでは数十年前、「スイスメトロ」外部リンクと呼ばれる同様のプロジェクトが存在した。スイスの地下をめぐるトンネルに磁気浮上鉄道を走らせる構想だったが、最終的には資金集めに失敗し白紙になった。
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
おすすめの記事
スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
このコンテンツが公開されたのは、
スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。
もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
おすすめの記事
ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
ユングフラウ鉄道グループは、ユングフラウヨッホの2024年の来場者が105万8600人となり、2015年以来6度目の100万人の大台を超えたと発表した。
もっと読む ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
おすすめの記事
2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは2024年の企業倒産件数が過去最高を記録した。
もっと読む 2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
おすすめの記事
国民投票に向けた署名がまたも偽造
このコンテンツが公開されたのは、
医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。
もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
おすすめの記事
スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
このコンテンツが公開されたのは、
1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。
もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
続きを読む
おすすめの記事
スイス連邦工科大ローザンヌ校がイーロン・マスク氏のコンペで3位
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のチームが、米国で22日開かれた起業家イーロン・マスク氏の未来型超高速交通システム構想「ハイパーループ」のコンペで3位を獲得した。コンペはミュンヘン工科大学が最高時速467キロメートルの新記録で3度目の優勝を飾った。
もっと読む スイス連邦工科大ローザンヌ校がイーロン・マスク氏のコンペで3位
おすすめの記事
スイス連邦工科大学チューリヒ校、イーロン・マスク氏の「ハイパーループ」コンペ出場へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)などの学生チームは今年7月、米国で開かれる起業家イーロン・マスク氏の未来型超高速交通システム構想「ハイパーループ」のコンペに出場する。日本からは慶応義塾大学の「慶応ALPHA」チームが出場する。
もっと読む スイス連邦工科大学チューリヒ校、イーロン・マスク氏の「ハイパーループ」コンペ出場へ
おすすめの記事
スイスで全長13キロの道路建設に半世紀もかかるワケ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのインフラ整備計画には途方もない時間と労力がかかる。アルプス南北を縦断する高速道路A2と観光地のロカルノをつなぐ全長13キロメートルの高速道路の実現には半世紀はかかる見込みだ。つまり1キロメートルにつき3年が費やされる計算だ。インフラ整備計画が遅々として進まない理由には、直接民主制がある。
もっと読む スイスで全長13キロの道路建設に半世紀もかかるワケ
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。