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スイスとドイツの研究チーム、スマート・ファブリックに適した繊維を開発

新しい繊維
スイスとドイツが開発した新しい繊維 Alban Kakulya / 2018 EPFL

スイスとドイツの研究チームが、超弾性かつ特性の異なる素材を組み合わせたマルチマテリアル、さらに高性能の繊維を開発した。すでにロボットの指のセンサーや衣類に使われている。研究チームは、この画期的な技術がスマートテキスタイルや医療用インプラントに新風を巻き起こすと自信を込める。

 この繊維はスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)、スイス連邦材料試験研究所(EMPA)、ドイツのベルリン工科大学が共同で開発。学術誌「Advanced Materials外部リンク」に掲載された。

 連邦工科大ローザンヌ校は声明で「この繊維は、ごく小さな圧力と歪みを検知できる。500%に近い変形にも耐えられる。スマートテキスタイルや義足などの人工装具、ロボットの人工神経を作るのに最適だ」と述べた。

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 この繊維は弾性のある材質エラストマーで作られており、電極や弾力性などに富むポリマーナノコンポジットなどの材料を組み込むことができる。  

 この繊維を組み込んだロボットの指が何かに触れると、繊維中の電極が検知した環境情報を伝達する。研究チームはまた、大きなメッシュ製の衣類に繊維を組み込み、圧力を加えたり、伸ばしたりするとどうなるかを実験した。

 連邦工科大ローザンヌ校フォトニクス材料・ファイバデバイス研究室のファビエン・ソラン室長は「例えば衣類に組み込まれたタッチキーボードの開発にこの繊維が役立つ」と話している。

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