スイスでは発がん性物質アスベスト(石綿)の除去作業があまり進んでいない。国内にある建物の7割以上に、依然としてアスベスト建材が残っている。
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スイスでは1989年の全面使用禁止から30年以上が経った今でも、アスベストの問題を抱えている。また、スイスのアスベスト関連疾患による死亡者数は未だにピークを迎えていない。
汚染物質の調査・分析会社GSAS(本社・チューリヒ州)のアスベスト専門家ペーター・クンツェンドルフ氏はスイス通信社の取材に対し、すでに多くの除去作業が終了しているにもかかわらず「アスベストは特にタイルの接着剤など、意外な素材に含まれるかたちで依然として広く残っている」と語った。
スイス傷害保険公社Suvaによると、1990年以前に建てられた建物にはアスベストが含まれている可能性が高い。 Suva が2020年までに記録した職業性アスベストばく露による死亡者は2700人だった。
アスベストばく露から健康被害が生じるまでの潜伏期間は最長約40年と長い。Suvaは2040年までにさらに3300人の患者を見込んでいる。
英語からの翻訳:大野瑠衣子
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